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無花粉ヒノキ、秦野市内で発見

去る12月10日、神奈川県は無花粉のヒノキ個体を秦野市内の山林で発見したと発表した。これは全国でも初めての発見となり、県は今後の品種登録を目指す模様。

 

色々と興味深いニュースである。確かに無花粉のヒノキの苗が今後大々的に流通するようになれば、主に山林涵養の為だけに行われる伐採利用のあてのないヒノキ植林が、春先の大規模な花粉飛散を引き起こすことがなくなる。そこで、こうした品種のもつ将来性というものは非常に大きい。

 

気になるのは、何故その発見ならびに品種登録を神奈川県という自治体が行ったのかというところ。神奈川県が品種登録すると、他県で植林の際には神奈川県へのライセンス料が発生するなど、全国的な普及に対する大きな妨げとなるのでは?

 

実は神奈川県は、無花粉ヒノキだけではなく無花粉スギについて、既に発見を行っている。神奈川県のみならず、富山県、新潟県、福島県…など多くの自治体が無花粉スギ個体を発見しており、それぞれ自治体名や発見した大学名を含んだ、「神奈川不稔1号」のような呼び名で呼ばれている。

 

無花粉スギの最初の発見者となったのは富山県で、1992年に富山県内の神社のスギが花粉を飛ばしていないということに着目し、このスギが「富山不稔1号」となった。そののち富山県林業試験場が「はるよこい」という品種名で品種登録、量産にこぎ着けた。

一方、無花粉スギの品種としては、茨城県の独立行政法人森林総合研究所が登録を行った「爽春」というものも流通している。無花粉スギの品種登録を行ったからといって、無花粉という特性自体に独占権が持てるのではなく、あくまで他品種とは繁殖能力などのそれ以外の特性を含めて、秤にかけられる状態になっているわけだ。

つまり、神奈川県が無花粉ヒノキを品種登録することは、無花粉品種の先駆けとして優位に立つことにはなるけれど、もし他県での無花粉ヒノキの苗が品種登録にこぎ着ければ、勿論競争にはなる。ということ。

 

付け加えるなら、自治体が農産物等を品種登録することは非常にポピュラーで、以前サンクトガーレンのビール名として紹介した「湘南ゴールド」などもそう。品種登録をしていないと、無関係の他者が同品種を栽培し販売してもやめさせる手段が無いので、自治体レベルで優良品種の権利確保に努めるのだそう。韓国に持ち帰られ栽培・出荷された「とちおとめ」あたりが教訓となっているのかもしれない。

こちらのデータによれば、神奈川県の品種登録数は、都市近郊自治体にしては多い方と言えるかと。自治体が品種登録に熱心に動いていると、生産者は心強いだろう。