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石売り

秦野市にある道祖神のお祭り。前回紹介した悪魔っぱらいの他にも、「石売り」と呼ばれるお祭りの方式があるらしい。

秦野市役所公式ホームページ/石売り

なんと、どんど焼きの日の前の日までに、子供がリヤカーでバラバラになった道祖神を売って歩くというのだ。同時に、各家庭の正月飾りを回収して回る意味もある。勿論、回収した飾りはお祭り当日に焼かれて、その翌日、石を買った家庭から再び石を回収し、道祖神として復元するらしい。

 

この祭りの方式から、様々な事を連想させられる。

 

まず、子供によってバラバラにされた道祖神が売り歩かれるということは、バチ当たりな行為だけれどバチ当たりではないという基本線。

おそらく、道祖神をバラバラにして売り歩くというのはバチ当たりな行為である。ただし、そのバチ当たりな行為を子供が行った場合、それはバチ当たりにはならず、かえってその行為を大人が阻害しようとする事を、道祖神様が不快に思う、という、道祖神というド偉い存在を介して、大人と子供の偉さが逆転する現象が起こるはず。この道祖神を介した大人と子供の逆転現象、似たような例が全国的にあるようだ。

 

もう一つ。どんど焼きの日にバラバラになった道祖神が、祭りの後復元されるというのは、再生の意味を持っているのだろうということ。言わば式年遷宮のようなリニューアルだ。石自体は使い回されるものの、意義としては祭りを終えて新しい道祖神がやってきたということになるのだろう。

そのように祀られる道祖神は、岐の神としての道祖神よりは、陰陽道歳徳神としての性質が強いかもしれない。秦野市の風俗は、悪魔っぱらいにしてもそうだけど、土着の連綿と続いてきた風俗というより、書物や学問として一度体系化された後のものを輸入しているように思える。

 

ということで、今年の正月は、悪魔っぱらいだけではなく、石売りも目撃できればよいなと期待している。売っている現場でなくても、バラバラにされてしまった為に道祖神が留守になっている現場を目撃できれば幸い。