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湘南小麦プロジェクトについて調べて感銘を受けたり

地産地消の気風って素晴らしい。ビバ農業国神奈川!ということをこのあいだ書いた。ローカルなブランド農産物を作って推していくというのは、日本全国どの地方においても見られる傾向だけれど、本当の地方農村のそれがあまり成功するイメージが無いのに比べて、神奈川県の場合は"地消"の時点で受け皿となってくれる可能性のある人口が桁外れに多いから、わりと成功する公算が高くなるのかもしれない。

本当の地方農村のブランド農産物は、結局消費の受け皿を都会に求めざるを得ず、都会進出プロモーションのコストによりプロジェクトが早く疲弊してしまうのだろう。したがって、ブランド農産物という戦略は基本的に都市近郊でやるのが正解なのかもしれない。

湘南小麦という胸躍るプロジェクト

地産地消の取り組みについて、たまたま見つけた湘南小麦プロジェクトという例。色々調べていくうちに、なかなか面白いストーリーを持っていると感じた。ブランド農産物というと、栽培農家の寄合から生まれたり、研究所から生まれたり、自治体の旗持ちで生まれたり、と色々なタイプがあるけれど、湘南小麦プロジェクトは、故高橋幸夫氏という一人のレストランシェフの、たまたまの国産小麦との出会いから生まれた。

国産小麦でパンを作りたいと思った彼がぶつかった壁は、小麦農家が継続的に小麦を作り続けられる仕組みを作らないと、やがて国産小麦は廃れてなくなってしまうという現実。そこで、小麦農家に対しては市価の6倍から7倍の価格での買い取りという誠意を見せつつ、製粉工場とパン屋と二足のわらじを履いて、湘南小麦という新しく作ったブランドの普及を目指す、というもの。

この製粉工場がミルパワージャパン、パン屋がブノワトンという店。伊勢原市という中途半端な土地にありながら、東京を含めた広い地域において熱狂的な支持を集めた。

残念ながら、プロジェクトの唱導師である高橋氏は2009年に41歳の若さで亡くなられた。それでも、プロジェクトは後継者の方によって受け継がれている。ゆくゆくは国産小麦の栽培と消費が神奈川の地に広く根付くことを目標として…

 

そんな話を、主にこちらの記事など中心として知ることとなった。

湘南小麦プロジェクトの現在 | パンラボ

色々と凄い話。この湘南小麦というブランドは、ただの湘南でとれる小麦という特産物的なものではない。ブランド価値の半分以上はこの高橋氏個人の作り上げた仕組みによっている、というところで、なかなかこれと同様のプロジェクトを作り上げようとしてもできあがらないだろう。