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湘南神輿、あるいは相州神輿のどっこい担ぎ、それに甚句の覚え書き

ひどい題名だねこりゃ。

相模国府祭に参加する神輿の特徴などを調べていると、共通する特徴がなんとなく浮かび上がってくる。そして、その特徴は国府祭に参加する神輿だけのものではなく、もう少し広い範囲の神輿の特徴と思えるようになる。しかしながら、その広い範囲の神輿の集合内では、それぞれの地域の神輿に看過できない差が存在するのである。A、B、Cという特徴を持つというのがなんとなくの特徴であるとしたら、ある地域の神輿はA、B。またある地域の神輿はB、Cというように異なる。また、A、B、C全てを兼ね備えた中心と、部分一致の周縁、といったような単純な図式にはならない。

湘南神輿あるいは相州神輿の特徴

なんとなくの特徴をまとめてみよう。まず、神輿の本体が湘南神輿あるいは相州神輿と呼ばれること。二天棒と呼ばれる、神輿の下の二本の棒で神輿を担ぐ。江戸の神輿のように担ぎ棒が井桁になっていない。神輿の側面にはタンスと呼ばれる把っ手がつけられていて、これを規則的に鳴らしてビートを刻む。

このタイプの神輿は湘南神輿とも呼ばれるし、相州神輿とも呼ばれる。当然ながら相州の内陸において湘南神輿と呼ばれることはないだろう。

相州神輿に付属しがちな要素というのは、唐破風、神輿の屋根の四方にくるくると丸まった蕨手、提灯、輿の部分に張られた網など。まあ、二天棒でタンスがついているものをとりあえず相州神輿と呼んでおけば絶対に間違いは無い。

どっこい担ぎという担ぎ方

相州神輿の多くは、どっこい担ぎという担ぎ方で担ぐ。二天棒の内側に入って、たとえば左側の棒を担ぐ場合、右手は右の棒に渡して、左肩に棒を乗せる。一般的な神輿の場合左側の棒を右肩に乗せて外側から担ぐだろう。この担ぎ方は独特だ。

さらに担ぎ手の足に注目すると、行進のように片膝ずつ上げて進む。神輿の次の日は肩だけではなく足も筋肉痛になっているだろう。

どっこい担ぎの"どっこい"は、「どっこいどっこいどっこいそーりゃ」というような掛け声からきている。これも相州神輿ながら異なった掛け声になる場合がある。たとえば暴れ神輿の比々多神社は「やーとーさーせ よいとこりゃさーせ」という掛け声だというのは既に説明したところ。

「どっこいどっこいどっこいそーりゃ」は甚句の合いの手として適しているのではないかと思える。ということで甚句の説明。

甚句という民謡

甚句というのは、五七の組み合わせの詩である都々逸にメロディをつけたもので、相撲甚句などが有名だろう。相州神輿を担ぐのに合わせて歌い手が歌う。神輿の担ぎ手が所々に合いの手を入れるのだが、相撲甚句の場合「はあーどすこい」などの合いの手のところ、相州神輿だと「あーよいしょ」「よいよい」などあって、最後に「どっこいどっこいどっこいそーりゃ」に戻る。

甚句の歌の内容は、艶めかしいものや、神社の数え歌(「一で相州一宮〜」など)、ご当地紹介物など。総称して湘南甚句という言い方も特にあるけれど、茅ヶ崎甚句とか相州大磯甚句とか須賀甚句とか、やはりご当地ではご当地名で呼ばれている。

大磯の高来神社の場合、小田原担ぎの特徴である木遣りも歌われるそうだが、これは御船祭の山車とセットになっているもので、神輿にはやはり甚句がセットになっている。

 

湘南神輿あるいは相州神輿は、結構色々な地方の祭に輸出されているようだが、甚句と「どっこい」の掛け声の組み合わせがあれば、これを湘南神輿と呼んでいるのではないかと思う。二天棒でタンスまでついている神輿は、やはり遠方では調達の問題もあるのだろう。