湘南とキュウリには密接な関係がある。というより、湘南に住む人々がキュウリを好むというべきか。以前紹介した幻のキュウリ「相模半白節成」復活の取り組みも、新しいキュウリの登場を歓迎する土壌があったから可能であったに違いない。
相模半白節成、幻から一転ポピュラーに
その相模半白節成、現在では大手スーパーでもよく見かける上、お値段も手頃な品種となっている。いまや相模半白節成という表示もなく、ただのキュウリとして売られているケースもある程だ(それは少し勿体ないけれど)。大手スーパーで"○○さんが作った野菜"のように近郊農園の野菜を積み上げて販売するスタイルにおいても、相模半白節成のような見た目が奇抜な野菜はいかにも規格外っぽく、消費者にウケ易いというのも栽培がポピュラーになった理由だろうか。
【キュウリ】半白節成(タキイ交配)/小袋 |
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沖縄野菜の赤毛瓜(モーウィ)
ただ、見た目が奇抜だからウケる相模半白節成も、あまりポピュラーになり過ぎてしまうと今度はアピールが弱くなってしまう。そこで、相模半白節成に飛びついて栽培を始めた農園でも、その次の奇抜な野菜の栽培を考えなければならない。
ということで、スーパーの近郊生産者コーナーで相模半白節成の隣に置かれていたのが、このインパクトのある赤毛瓜(モーウィ)であった。
見た目的には、育ち過ぎてしまったキュウリである。キュウリを成熟後放っておくと、このように変色し肥大化する。種子の採取には適しているが、とても食べられたものではない。
しかし、沖縄野菜の赤毛瓜はこの見た目が正常であり、この実を薄切りにして食べたりするという。味は通常のキュウリよりも冬瓜などに近く、種は硬いので取り除いて食べなければならない。
通常のキュウリと並べた時のインパクトは絶大であるので、今後お祭りの冷やしキュウリに対抗して、冷やした赤毛瓜を販売する露店も出てくるかもしれない。
【シロウリ】赤毛瓜(アカモーウイ)(固定種)/小袋 |