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DASH村で収穫された"春よ恋" 福島県でも収穫が可能なのかと驚嘆しつつ

TOKIOの『ザ!鉄腕!DASH!!』の世界一うまいラーメンを作るという企画で、福島県西白河郡にあるDASH村栽培されていた春播き小麦"春よ恋"。春よ恋という品種はその栽培が北海道内に制限されており、福島県栽培するという企画はおそらく前例のないもの。最終的にうまく収穫にこぎ着けることが出来るのかが心配だった。

グルテン製パン用小麦"春よ恋"

具体的に問題になり得ると感じていたのは、種子が穂に生ってから収穫を行うまでにきちんと乾燥させることができるかどうか。春よ恋の栽培地である北海道は梅雨や台風の影響が少なく、収穫時の降雨をそれほど考慮しなくても良いのだが、福島県ではそうはいかない。降水量データを調べてみても、DASH村の場所が特に少雨で春麦栽培に適しているという風でもなかった。そこで、何かしらの問題は出るのではないかと思っていた。


鉄腕!DASH!!でTOKIOが栽培する小麦「春よ恋」だが、福島で収穫できるのか少し心配 - 秦野でSEOなどしつつ神奈川県ネタブログ

台風の影響で倒伏と赤さび病が ただし穂発芽はなし

先週11月9日の放送では、この春よ恋を収穫して麺用の小麦粉にするまでを伝えていた。放送内容によれば、種子が生ってから台風11号が到来した関係で、一部の穂に倒伏が見られ、また畑の一画には赤さび病の発生が見られたが、早期に刈り取ることで無事に120kgを収穫できたということだ。

春よ恋の特性としては、この間言及した北海道産小麦ビールに使われていた親の"ハルユタカ"と比べ、赤さび病を含めた病気に対するやや強い耐性がある。また、穂発芽への耐性もやや上がるという。その一方で、アメリカ産品種の"Stoa"と掛け合わせたことにより、ハルユタカと比べ稈長が長くなり倒伏への耐性を失ってしまっている。今回のDASH村での栽培結果は、春よ恋の特性を比較的忠実に再現しているようで、なんとも面白い。実際に収穫した小麦粉の特性の違いについては判明しないが、外見上あとは台風による倒伏さえクリアできれば、北海道外でも春麦として栽培できるのではないかという印象をもった。

製パン性に優れた国産春播き小麦の系譜は続く…

なお、春よ恋が北海道における奨励品種になったのは2000年ということだが、それより後の2007年に奨励品種となった同じ春播き小麦の"ハルキラリ"という品種があり、こちらは倒伏について春よ恋よりも耐性があるということだ(直接の血縁はないけれど)。

グルテン製パン用小麦"ハルキラリ"

やはり国外産小麦との掛け合わせで、稈長は春よ恋と同様に長いのだが、稈自体に強靭で倒れにくい性質をもたせることで、倒伏の問題を解決しているという。また、このハルキラリを親としたさらなる後継品種についても開発されているようであり、国産小麦は国外産に比肩する製パン適性という部分をクリアした後、品種改良により台風や梅雨など本土の気候条件にも適応させていくという段階にあるのかもしれない。