先日秦野市のホームページで調べ事などをしている際、市の発信する新着情報コーナーに、地場産小麦を使ったパンを市内の小学校給食で提供というニュースが上がっていることに気付いた。
市内全小学校で給食に秦野産小麦パンが登場
秦野産小麦のパンが給食に登場したのは、6月19日(金)。市内13の小学校で、秦野市菩提で収穫された小麦を使ったコッペパンが提供されたという。生産農家は小泉達雄氏とあり、おそらく市内農業者の任意組合として設立され平成24年に法人化された、株式会社大地という会社であろう。製パンは、平塚市に本社があり弦斎カレーパンなども製造している高久製パン。
秦野市では、今後も2、3ヶ月に一回給食で地場産小麦のパンを提供するつもりだという。一回目はコッペパンであったが、二回目以降はまた別のパンで提供の可能性もあるらしい。
湘南藤沢小麦の例に思い当たり、農業技術センターの取り組みを知る
小学校給食に地場産小麦のパンを提供するという取り組み、秦野市以外でも最近耳にしたことがあった。それが湘南藤沢小麦と呼ばれる、藤沢市のさがみ地粉の会が生産する小麦(品種はユメシホウ)。こちらは製パンも市内の長後製パンという会社が行っており、少なくとも平成22年から小学校給食に登場している。
湘南藤沢小麦については、湘南の名前を冠する地場産小麦について調べあげたエントリで言及している。
平塚のご当地グルメ、湘南ひらつかカオリ麺の材料ともなっている湘南カオリ小麦を含め、湘南の地場産小麦が乱発しており、県外に売り込むためにはブランドが絞り込めていないなどと苦言を呈していたのだが、調べてみるとブノワトンの湘南小麦も含め、神奈川県の農業技術センターがこれらの小麦の地域ブランド化、地産地消化に絡んでおり、ブランド乱立の状況というのは神奈川県側としてもある程度想定済みの事態であるようだ。確かに、大きな括りで神奈川県産とか湘南産とかでブランド小麦を作っても、構成自治体の地産地消欲求は喚起しにくいかもしれない。対外ブランドに育てるのではなく、狭い地域の地産地消需要を喚起して付加価値をつける。
湘南の名前を冠する小麦は、「ふすま」の利用や麦踏み体験会の開催など売り込み方に類似点が多く見られたのだが、これも同じ農業技術センターの指導である事が理由なのかもしれない。いずれは秦野の地場産麦にも、湘南はだの麦とかそういった類いのブランド名がつけられるのかな、と予想しておこう。