小田急線トマト騒動から考える、新手のマーケティングの可能性
小田急線にトマトの着ぐるみが現れて、twitterなどの話題を席巻した現象について。それがマーケティングだとしたらコストパフォーマンスが高い優秀なものだという感想を、こないだブログに書いた。
この前話題になった小田急線のトマト。どうやら仲間がいるらしい。
手法を一般化してみると、こんな感じ。
- STEP1 特定のキーワードの組み合わせでSEO対策
- あるひとつの単語で検索エンジンのトップページに出るようにするのは、手間とコストがかかる。たとえば、「ハンバーガー」という単語で検索エンジンのトップを目指そうとすると、マクドナルドやモスバーガーなどを相手に総力戦を挑まなければならない。実質不可能だよね。でもたとえば「ハンバーガー」の前後に他のキーワードをくっつけた言葉「小田急線 ハンバーガー」「千代田区外神田 ハンバーガー」とかであれば、案外容易くトップページを席巻できる。だから、この対策を前段階として行っておく。
- STEP2 そのキーワード組み合わせでの検索がされるような「事件」を起こす
- 「小田急線 ハンバーガー」で検索されるような事件をリアルで起こす。何故ネット上でなくリアルで起こす必要があるのかと言うと、ネット上だとすぐに「事件」が解決してしまい、その「事件」について新たに言及を行うことがなくなるから。今回のようなケースでは、電車に乗り合わせた目撃者が我こそは1次ソースだろうと感じ、スマートフォンでつぶやいたり写真をアップしたりと積極的に言及した。それが積み重なって、「事件」が育った感じ。
「事件」が長く解決しないでいてくれているほど、検索回数は増える。もし話題が収束し始めたならば、新たな情報をそれとなく小出しにすれば良い。あるいは、メディアにあの「事件」の真相としてインタビューさせてみたりとかね。
マーケティング(だとしたら)としては、それほど既存のマーケティング方法の文脈から外れて新奇というわけではないけれど、検索エンジンのマーケティング(SEO)の手法であるキーワード選びをリアルに持ち出したところと、舞台を電車という閉鎖空間かつ広域媒体という二面性を持った場所にしたところが、知能的だと思うのですよ。
SEOマーケティングと、現代の怪談マーケティングの融合事例みたいに見えるのは、少々偏った見方を持ち過ぎなのですかね。