秦野市に名物は無い!あっても大抵近隣自治体とかぶっている。
そんな事を言っていると、「何も分かっちゃいねーな」というお叱りが、どこかの盆地の住民(12万人くらい)から一斉に飛んできます。
いわく、「秦野の名水!これ超有名」。
はい。確かに名水が有名だった事があります。そして水道の歴史も全国三番目の長さを持つという、意外な自慢ポイントを持っています。
でも、そうしたアピールポイントを一瞬で無に帰すような、無情な事件があったのです。1989年1月に週刊誌報道で明らかになったのは、秦野市の地下水が有機塩素系化学物質に汚染されているという事実。工業団地から出た汚染物質が、そのまま地下水源へと流入していたのです。
そこで、地下水を一度揚水して有害物質をフィルタリング、地下水源に戻すという方法で、水道水源の無害化を行っています。でもこれには相応の予算がかかる。
公営水道ではなく地下水水源を使っている自治体に引っ越すメリットとしては、何より水道料金が安いという点があります。ところが、汚染の歴史がある秦野市としては、水源の無害化、保全というところに予算を捻出しなければならない。
ということで、メリットはあまり無いのです。
さらにコスト面を掘りますと、よく全国自治体水道料金ランキングという形で、水道代月額の比較を行っているサイトがあります。こういったランキングで神奈川県秦野市はかなり上位、つまり水道料金の安い自治体として挙がっています。
でも、よくよく調べると、下水道料金についてはわりと下の方に位置している。つまり水道局からの請求を見ると、それほど安くは無いのですね。
そんな感じで、秦野市のアピールポイントとして水道を推す論説には気をつけようという事でした。実際、秦野の地下水が名水だったとしても、全水道水源が地下水というわけではなく(65%くらいだっけな)。
公平な比較ではないかもしれないけれど、飲食店で出される水を飲んだ個人的経験としては、座間市(地下水源85%)の方が名水でした。
色々上手く行かないものです。