雑煮は秦野・西湘・上総流 ハバノリを入れてみよう
正月は近し。日本全国で、雑煮の具に何を入れるか/雑煮の出汁は何でとるかで侃々諤々に論争が起きていることと思う。
秦野市の雑煮は、今年始めにも紹介したように、醤油ベースに角餅で、三つ葉を添えるスタンダードなタイプ。正月の清々しさを体現したような、正解、正義と言ってもいいくらいの雑煮だ。それ以外の雑煮はあり得ない!
でも秦野盆地内でも西よりの方は、雑煮の上にハバノリという海苔を炙って振りかけ、「幅を利かせる」という言葉にかけた縁起物にするらしい。これは房総半島の、とりわけ上総国で作られる雑煮に似ており、小田原から酒匂川の流域を上って、松田、そして秦野と流入してきたものらしい。
ハバノリを入れることによって出汁の風味を大きく変えてしまうというわけではないので、スタンダードな雑煮に飽きてしまった場合のトッピング/味変えとしてハバノリを加えてみても良いのではないかと思う。
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ハバノリは縁起物ということで、値段も相応に高い、しりごみしてしまうという場合には、代わりにアオノリやアオサなどを入れてみるのも良いだろうと思う。雑煮に全国的なバリエーションがある理由の一つが、この入れなければならない具がないから代わりに別のもので代用しようという行為によるものだ。
自分の代で加えたオリジナリティが、後の子孫に代々引き継がれていくと想像すれば面白い。雑煮の名前の如く、雑多な煮物でありさえすれば十分に用を為すだろう。