神奈川県央で受験合格祈願をするなら…前鳥神社がオススメ
来年に受験を控えていて、神奈川県央で学問の神様を探しているのならば、平塚市四之宮の前鳥神社が祭神・ご利益的にオススメである。
相模国四之宮前鳥神社の祭神
前鳥神社が祀っている神様は、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、大山咋命、日本武尊の3柱となっている。このうち学業のご利益があると言われているのが、菟道稚郎子。関東ではなかなか祭神として聞かない名前かもしれないが、古事記や日本書紀で応神天皇の時代に登場する人物で、名前のとおり京都の宇治に縁があると言われている人物である。
応神天皇を父に持つ菟道稚郎子は、百済から学者を呼び寄せて漢籍を学んだ。このとき百済の学者王仁によって、日本に初めて『論語』がもたらされたという。菟道稚郎子は学問に大変優れていたため、応神天皇は菟道稚郎子の異母兄にあたる大雀命(後の仁徳天皇)の代わりに、菟道稚郎子が即位することを望んだという。
応神天皇が崩御すると、菟道稚郎子と大雀命は3年の間互いのために皇位を遠慮し続けて、いよいよ天皇の空位が深刻となってきたので、菟道稚郎子は自ら命を絶ち、大雀命に皇位を譲ったという。これが日本書紀に書かれたエピソード。それに対して古事記では、ただ単に菟道稚郎子が夭逝してしまったと書かれている。
皇位を年長の兄に譲ったということで、儒教的価値観で大変有徳の人物である。この"譲る"というエピソードが受験合格祈願にそぐわないような気もするが、そもそも入学試験というものが中国の科挙を元にしたものであると考えると、儒教のスペシャリストにあやかっておいても間違いではないだろう。
学問の神様としては、菅原道真が有名だけれど…
菟道稚郎子は確かに有り難い神様であるけれど、一般的にはどちらかというと菅原道真の方が、受験合格祈願の神様として有名だ。菟道稚郎子を祀る前鳥神社と合わせて、菅原道真を祀る神社にも詣でておいた方が良いのであろうか。
そうしたニーズに応えてか、前鳥神社の境内社として奨学神社という社があり、菅原道真と、菟道稚郎子に漢籍をてほどいた王仁・阿直岐を祭神として祀っている。こちらにも願をかけておけば、きっと漏れもない。