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先日の小笠原沖深発地震で、二宮町だけ震度5強と飛び抜けていたわけ

5月30日の夜に発生した地震は、震源小笠原諸島西方沖と本土から随分離れたところにありながら、全国47都道府県での揺れを観測する大規模な地震となった。地震の大きさはマグニチュード8.1(当初発表では8.5)、震源が地下682km(当初発表590km)というなかなか珍しい深発地震。各地で体験された揺れも、数分ほど続く長い初期微動から主要動へと続く、気味の悪い揺れと評するに値するものであったようだ。

震源から離れた二宮町震度5強を観測

さて、地震の揺れがおさまって十数分程後には、各地の震度計で観測された震度が発表され、ニュースなどでその分布図が映された。今回の地震の場合日本列島を埋め尽くす震度の数字が印象的であったが、それ以外にも気になる点があった。最大震度である震度5強を観測した地点が、震源に最も近い小笠原諸島母島の他に、神奈川県中郡二宮町という震源から1000km近くも離れた場所にあったのだ。

震源からかなり離れた内陸でも、震度4級の揺れは観測されており、また深発地震の性質上震度分布がまばらになっていてもおかしくない。ただ二宮町の場合は神奈川県で飛び抜けて大きな震度を観測しており、二宮町を除いた神奈川県の最大震度は4、隣の大磯町では震度3と、明らかに異常な数値が出ている。本当にそんなに揺れたのか、もし震度5強の揺れであったのならニュースになるような被害が出ていてもおかしくないのでは、と疑いの目を向けざるを得ないだろう。

二宮町の震度観測地点は揺れ易い!

というわけで、この現象について調べてみると、二宮町の町会議員である小笠原陶子氏が地震直後に行ったツイートに当たった。

二宮町震度計が設置されている二宮町消防本部が、周囲に比べてとりわけ揺れ易い場所であるからというのが正解であるようだ。地図上で確認をしてみると、葛川が支流と交わる部分に位置している。葛川という河川は過去には丹沢方面から水無川を支流として従えていたこともあり、流域の地盤は堆積物により軟弱である。さらに消防本部の土地が、水田等を区画整理して用意されたという経緯もあり、館林市の気温観測地点のような異常値が出てしまう環境となっているのだ。

葛川沿いで水田を潰して作った、という経緯でいうと、中井町の厳島湿生公園を思い浮かべる。ああいったドロっとした地盤に震度計を設置しているならば、周辺自治体より大きな数値が観測されるのもむべなるかな、である。

 

まあ、実際に消防本部がある場所で大きな揺れを観測したというのは事実であり、同様の条件の地盤があれば、やはり同じような震度になるであろう。つまり自治体の発表震度が必ずしも自治体内の全ての地点の震度を表していないというのは確かであるので、今回のような地震で発表震度と体感震度が乖離していると感じるようであれば、住んでいる場所の地盤を一度調べてみることも必要だろう(揺れ易さマップなども参考に)。