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下大槻健速神社例大祭のクライマックス火祭り"おおや"

秦野市観光協会のホームページが、「秦野観光写真コンクールで下大槻健速神社の火祭りの写真が人気っすよ!実際昨年も入賞しているっすよ!」と煽るので、9月10日に行われた例大祭のクライマックス宮入部分、通称"おおや"を見学しに行ってきた。

秦野市の下大槻と言えばひゃくはったい

秦野市の下大槻という地名は、当ブログでも何度か言及したことがある、下大槻百八炬火(ひゃくはったい)の下大槻だ。お盆の頃に行われる藁を燃やしつつ神輿を出す虫追い行事で、特筆すべきは源平合戦のおりに木曾義仲の軍勢によって討たれてしまった斎藤実盛を模した人形を用意し、豪快に燃やしてしまうところだ。行事内容だけ聞くと、水に落ちた犬を打っているようにも聞こえる。

hadanon.hatenablog.com8月14日頃に行われるひゃくはったいに対して、同じく藁を燃やして神輿を出す火祭りである"おおや"は9月初旬の日曜日とあまり遠くない日程で行われる。ひゃくはったいの方には太平洋戦争の後に一度伝統が途絶え、その後有志の尽力により昭和50年代に復活したという経緯がある。そして健速神社の祭神は須佐之男命であり、いわゆる天王さんだ。例大祭の祭日はかつては天王祭のように初夏とされていたらしいが、太平洋戦争後に9月に移動したらしいので、もしかしたらこの移動というのが両行事の統合を意図したものであったのかもしれない。

下大槻健速神社本殿は秦野市内最古の寺社建築

健速神社の本殿は1636年に建造されたものらしく、秦野市内で最古の寺社建築である。その姿の殆どが拝殿の後ろにある覆殿に隠れているので、一般参拝者が全貌を目にすることはなかなか出来ないだろう。

でもそもそも本殿をむき出しにしておいて、"おおや"の際の火が燃え移ったりしたら大変なことになるので良い状態なのかもしれない。なにしろ祭の最中ずっと建物への延焼を心配してしまうくらい、豪快に火を焚いていたから。傍らに消防隊員がスタンバイして延焼対策としていたが、建物にあらかじめかけ水などしておかなくて良いのか、そこは心配であった。小田急線車両だったら大惨事になったぞ、などとリアルタイムニュースに絡めて思う。

火祭り"おおや"の写真

観光協会の案内によると、土日で行われる祭の2日目に当たる日曜日、朝9:45頃から神輿の渡御が始まり、19:30頃に宮入となるらしい。宮入の少し前に現地入りすると、境内前を丁度万燈神輿が乱暴に練り歩いている最中であった。神輿の先には藁を設置する衆と松明を持った衆が控え、道端にどんどん火柱を立てていく(でも着火は松明から行わず、バーナーで行っていたのが印象的だった)。そして神輿はその上を豪快に通り過ぎる。すぐに燃え尽きる藁の火なのである程度は安全なのだろうが、火柱に飛び込んでいく担ぎ手には余程勇気が要るに違いない。

藁の設置中

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神輿が通り過ぎた後の藁。依然燃焼中。

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気になる神輿の担ぎ棒は井桁で、側面にはタンスがついていない。掛け声は…"おおや"だからなのか「オヤ!」と言っているように聞こえる(調査中)。どっこい神輿の大括りには含まれなさそうである。

神社の境内には、鳥居をくぐった急な階段からではなく裏手の坂道から入る(曾屋神社の場合とは違う)。そこで拝殿の前を松明と鳳凰の飾り物(神輿のてっぺんについているものとは別の個体)に先導されて何往復かする。あと何往復あるのか担ぎ手に分かり易くするため、拝殿にて「あと○回」と書いたカンペが出されていたのが印象的だった。

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写真コンクール狙いなのか、境内に三脚を立てて熱心に撮影をしている人も多かった。火祭りは本当に秦野の華である。9月23日(土)・9月24日(日)の第70回秦野たばこ祭でも、火を使った様々なダイナミックな催し物が見られます。そんなダイレクトマーケティングにて締めつつ。