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神社に与えられたどぶろく醸造特例には謎が残るのである

前回のエントリでは、どぶろく特区という制度が創設されて以降の全国のどぶろく祭りが、3カテゴリくらいに分かれるんじゃないかという話を書いた。

hadanon.hatenablog.comその中でも特殊と言える形態が、神事としてどぶろく醸造を行ってきた神社に特例的に与えられた醸造許可を根拠として行われているとされるどぶろく祭り。この特例が具体的にどのようなものなのか酒税法国税庁ホームページを中心にあたって調べているのだが、そういった記述に行き着いていない。つまりわからない。

神社への醸造特例では製法を問われることがない?

ただ、一つ興味深い事例として出てきたのが、飛騨国一宮水無神社の例。毎年5月1日・5月2日の祭事でどぶろくをふるまうのだが、それまで祭事特例として醸造が許可されていたものが平成17年より「臥龍桜の里・一之宮どぶろく特区」による醸造許可に変わるにあたって、伝統製法にあったどぶろくを漉す過程というのが除かれることとなったというのだ。つまり、神社に特例的に与えられた醸造許可では製法について口を挟まれることはない(実際、神事ということで口噛みで作っている所もあると聞く)。また、提供する酒が酒税法上のその他醸造酒(濁り酒)でなくとも問題はない、ということであるようだ。

神社のどぶろく祭りのどぶろく販売について

祭事の特例を根拠に行われているどぶろく祭りに行ったことがあるなら知っているだろうが、境内の周辺には警察が待機していて、振る舞われたどぶろくが境外に出てしまわないよう目を光らせている。また、持ち帰り用のどぶろくについては販売品でなく、あくまで神社に対する奉納への返礼という扱いになっている。消費税等が価格に乗せられることもない。

ただこの"奉納の対価たるどぶろくのみ境外に出ることが出来る"という原則にも例外事例が見つかる。先のエントリでも紹介した大分県杵築市の白鬚田原神社のどぶろく祭りだが、通常の境内でのふるまいと奉納の対価として持ち出し可能などぶろく以外に、車の運転手が駐車場で引換券を貰い、タッパーに入れてもらって持ち帰りができるどぶろくというものが存在するらしい。飲酒運転を避けるための措置であろうが、こうなってくると神社のどぶろく醸造特例について厳格なルールが存在しているわけでなく、各地方の管轄税務署のさじ加減次第でルールが決められていると考えた方がよろしいのではないだろうかという気がしてくる。

 

かように謎が多いどぶろく醸造の特例だが、ルールが明文化され示されていないのは、神道という特定宗教に対する肩入れを指摘されると困るからだったりするのだろうか。祭を楽しむ側としては伝統的なものが残ったままであるのが嬉しいが、もしかしたらこの特例の扱いは国にとっては困りものであるのかもしれない。