サンクトガーレンの冬限定ウィンターフルーツタルトエールを滑り込み賞味!
神奈川県産のフルーツを使用したビールを毎年市場に出してくるビールメーカー、サンクトガーレン。その一番有名なものは、主に西湘で栽培されているオレンジ、湘南ゴールドを使用した夏季限定商品の湘南ゴールド。こちらは定番商品となっており、毎年4月14日のオレンジデーに解禁がされると全国のビアバーやビアフェスなどでフルーツビール好きの喉を潤すことになる。
今シーズンの冬季限定フルーツビールはイチジク使用
一方湘南ゴールド以外の同社フルーツビールは、定番化されずに1シーズンのみで姿を消してしまうものも多い。見たことのないフルーツビールを見かけたら、とりあえず何も考えず手を出してみることが肝要なのである。今回レビューをする神奈川県産イチジクを使用したウィンターフルーツタルトエールも、来年また出会える可能性は限りなく低い。発売期間は2018年11月28日から2019年1月頃となっているので、本当にギリのギリの紹介となってしまうけれども、見つけ次第確保して試してみよう。
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ウィンターフルーツタルトエールを飲んでみた感想
イチジク使用のビールが何故シンプルにイチジクビールでなくフルーツタルトエールという名称になっているのかというと、おそらく市場での人目の引き易さのためだろう。イチジク以外の使用副原料は林檎、シナモン、ジンジャー、糖類となっており、秋冬限定商品として発売されたアップルシナモンエールにイチジクとジンジャーを加えたような構成である。
甘ーいタルトを想像させるラベルであるが、一口目の感想、「別に甘くない!騙された!」となること請け合いである。味わいの中で最も目立つのはシナモン、ジンジャーといったスパイスの部分で、イチジクの果実を齧ってすぐに遭遇するであろう甘味や酸味がなかなか見つからず、後味の方にジャムのようなベッタリ口の中に残る味わいが感じられて「そうか、イチジクのこの部分をとるか…」と唸ってしまう。毎度思うけれどもフルーツビールってフルーツの意図した部分が現れず作り手にとっても難しい題材なのだろう。あとは商品名でタルトを謳っておきながら、タルトの生地感はあえて目指そうとトライ&エラーした痕跡もなさそうかな、と感じてしまった。レシピを考えて作って出たとこ勝負のような。イチジクのフルーツビールとかタルト再現ビールとかそういう先入観無しで呑めば、呑み易い変わりビールではあると思う。
まかり間違ってもホットビールにしてはならない
原料的に林檎、シナモン、ジンジャー、イチジクなどあるから、ホットビールにして呑んだらいけるのではないだろうか、と試してみたが、これは大失敗。冷やした状態では控えめだった苦味と酸味がこれでもかと強調されて、漢方の苦い丸薬を液体にして飲んでいるかのようであった。
再度強調するけれども、先入観無しに普通の飲み方で呑めばあまり主張してこないところはあるので、話の種程度には試してみて面白いビールである。でも今後冬期商品として定番化はしないのではないかと思うので、そういった意味でも興味を惹かれたら見つけ次第確保しておくべき物件なのだ。