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阿夫利清流米の『はるみ』を伊勢原市農産物直売センターで買ってみる

以前から当ブログでプッシュをし続けている、平成28年度に神奈川県産として初めて食味ランキング"特A"評価を獲得した米『はるみ』。昨年の評価発表時に一躍話題の米となり、どの店でも売り切れが続出する"米騒動"があったことも手伝ってか、今年は品種誕生の地である平塚市周辺の自治体を中心に大幅に作付けが増え、おかげで『はるみ』の販売を行っている店舗もそれなりに目にするようになった。

hadanon.hatenablog.com

『はるみ』は上記のエントリに書いたとおり、平塚市寺田縄にある"あさつゆ広場"に行けば平塚産のものが手に入るほか、湘南・西湘・県央にある米屋を覗くと近辺の生産者の『はるみ』を取り扱っていることもある。また、私の知る限りで様々な産地や生産者の『はるみ』を並べ最も取り扱いが充実しているのは、伊勢原市桜台にある"わくわく広場"で、こちらに行けば1kg単位の小口で購入したりその場で玄米を無料精米させてもらえたりもする。"わくわく広場"は全国チェーンの店舗で現地の農協などが噛んでいる農産物販売所ではないが、ローカル農産物を意外と手頃に購入することができたりして便利なのである("わくわく広場"の手先ではないが)。

伊勢原市に以前からあるブランド米『阿夫利清流米』

さて、"あさつゆ広場"で購入した『はるみ』の味に感動して、平塚産の"特A米"の実力については充分に理解したつもりであったが、そうなると気になってくるのが別の産地の『はるみ』も同じような感動を与えてくれるものなのかである。

ここで一つ気になっていた情報があり、伊勢原市の農協では以前より市内生産者の米を大山阿夫利神社に因んだ『阿夫利清流米』というブランドで販売している。この『阿夫利清流米』の品種は、以前であれば『はるみ』の親に当たる『キヌヒカリ』であり、様々なプレスリリースなどでも大山の清流を使って育てた『キヌヒカリ』を玄米販売するのが『阿夫利清流米』といった風に表現されていたのだが、先日伊勢原市の農産物直売センター"あふり〜な"に行くと、『阿夫利清流米』の『キヌヒカリ』と『はるみ』といったように、両品種に対してこの同じブランド名称が使われていた。案外名乗りについては大らかなブランドなのか…と拍子抜けもしてしまったが、そもそも平成27年度より『はるみ』が神奈川県の奨励品種となり『キヌヒカリ』との大々的な置き換えが始まっているという話もあるため、『阿夫利清流米』に2品種のものが存在している今の状況というのは、ちょうど過渡期的な光景なのかもしれないと思った。

それはともかく、折角だから秦野市のお隣のよしみ、伊勢原市のブランドがついた『はるみ』を購入して試してみようという気になった。

上級グレードの『はるみ』はやはりそこそこのお値段

農産物直売センターの"あふり〜な"は、国道246号を上り方面に走ると左手に見える。外装がオレンジに緑と目立つカラーであるため、車に乗って通り過ぎるときに気になっていた人も多い筈だ。

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"あふり〜な"の売場は広く、伊勢原産の野菜や果物が中央の台に陳列され、周囲の棚の部分には農産物加工食品や市内精肉業者の加工肉、総菜などが並ぶ。前のエントリで紹介した『菊勇』の吉川醸造の酒もコーナーができて販売されているほか、農協の店舗らしく農具や肥料などについても取り扱いがある。

その中で米についてはやはりそこそこ大きなコーナーができており、コーナーの隣にはカカシが鎮座し主張している。『阿夫利清流米』として『キヌヒカリ』『はるみ』を玄米で販売しているほか、隣にある精米機で精米した後の白米もパッケージとして用意されており、気になる値段は5kg単位で見るとキヌヒカリ』が1700円『はるみ』が2000円となっており、『はるみ』の方が上のグレードのものとして扱われている。ちなみに"あさつゆ広場"で売っていた『はるみ』が4.5kg2000円であったため、1kgあたりにすると同じ値段付けになっている。

だがもう一つ、この『阿夫利清流米 はるみ』にはさらに上のグレードのモノが存在し、特別栽培米と銘打たれた『阿夫利清流米 はるみ』は5kgで2200円という値段になっている。この特別栽培米が何かというと、パッケージの説明によれば通常栽培よりも農薬と化学肥料の使用を50%以上削減して栽培されたものである。折角なのでこの特別栽培という文句にだまされて、今回購入する『はるみ』は上のグレードの方にしてみた。

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『はるみ』の食味は結構産地によって違うという印象

この『阿夫利清流米 はるみ 特別栽培米』を買って帰り、色々と炊き具合を変えてみて1〜2週間ほど試した結果、なんというか、平塚産の『はるみ』を食べて周囲の人に布教しようと思ったほど感動したのに比べると、イマイチ感動が薄いというか、普通の高級米の範囲に収まっているような気がした。

平塚産の『はるみ』と共通するのは、炊く前の粒の小ささと、炊き上がり後の粒の細長さ、そして一口目の雑味の無さから段々とやってくる甘味である。この甘味の部分では、平塚産のものが本当に飴細工であるかのように口内に甘味が広がったのに対し、今回買ってきたものは甘味が控えめである。精米後の見た目上の違いとして"あふり〜な"で買ったものの方が糠がはっきりと多く、充分研いでから比較してみたりもしたが、この違いが変わることはなかった。

米の細長くしっかりとした粒から、おにぎりにして食べたいというのはどちらの産地の『はるみ』にしても同じであるが、伊勢原産のものの方がおにぎりにしても素朴な味になるだろうという印象を受けた。

ということで、今回の比較の結論は同じ『はるみ』でも産地によって結構味が変わるというもの。『はるみ』が"特A"認定を受けたのは県央・湘南・県西産のものとなっているのでこの範囲に含まれる産地で"特A"認定米として販売されることに間違いはないだろうが、購入する際にはもう少し細かい範囲で考えて、自分の気に入った食味の『はるみ』を探してみた方がより満足できるかもしれない。結構テロワールによる違いが大きくあるのではないかと思う。