秦野盆地で明治の世から醸造を続ける日本酒蔵と言えば、「白笹つづみ」の金井酒造店。金井酒造店はモーツァルトの音楽を聴かせながら醸造した日本酒「モーツァルト」の生産者としても有名(なはず)。
モーツァルト 吟醸・原酒セット
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その金井酒造店は、最近洋菓子を作る秦野のデボンポートという会社とコラボレーションして、美少女キャラクターを使った"萌酒"、「秦野萌酒 白笹鼓 いなり」を作っている。
白笹稲荷神社初午祭でこの萌酒販売に遭遇
去る2月12日に、関東三大稲荷(ここ重要!)であるところの秦野市の白笹稲荷神社で初午祭が行われた。毎年恒例、この日には神社の境内境外問わず沢山の露店が出るのだが、その中でも特に目立つ、境内参拝者の行列の脇に露店を出していたのが、デボンポートだった。そして、くだんの萌酒の大きな幟も確認。
萌酒はいまだ呑んだことが無いながら、初午の賑わいにあてられてその場で購入!とはいかず…少し意気地がなかったので金井酒造店季節限定ラインナップである、「白笹つづみ にごり酒」を購入いたしました(笑)。
いや、斯様なチキンハートの言い訳をさせていただくならば、この萌酒パッケージの中身、白笹つづみの"特別本醸造"なわけで、吟醸酒舌の私には少しリスクが高い。とまあ、えり好みして買って帰ったわけですけれど、帰宅後にラベルをよく見たらこのにごり酒もアル添でした(笑)。
「白笹つづみ にごり酒」の感想
さて、このにごり酒を晩酌で呑んでみた感想。口に含んだ瞬間に強いメロンのような香りが襲い、次に強めの炭酸が舌先に訴える。この2点のみを合わせれば、間違えてメロンソーダに口を付けてしまったかのよう。ただ後ほど追って麹の香りがやってくる。このしっかりとした麹の香りが、日本酒を呑んでいるという実感をもたらす。呑み進め易く、後味にいやらしさは少ない。秦野の水、最高。
心配した醸造アルコールによる不自然さも、気付かない程度だ。吟醸酒のような、酒自体が主役となるような風味のストーリーは無いけれども、食前酒や一杯目としては合格点ではないだろうか。
にごり酒らしく、落ち着いた状態で保存しておくと沈殿物と分離する。まず透明な部分を呑んで、次に容器内で軽く撹拌して呑んで…と試してみたけれど、特に全体的な印象は変わらなかった。どぶろくのような強烈な米汁感は無く、清酒か、あるいは上品なマッコリのような感覚で呑めるだろう。食中酒のその前、アペタイザーとして好適かな。