大山からの強風
神奈川県の大山は、別名雨降(あぶり)山と呼ばれるほど、周辺の気象に影響を与えやすい山である。
たとえば、関東地方に大雪が降るとき。湘南などの沿岸部に加えて、この大山の麓の自治体(伊勢原市、秦野市)だけ雪ではなく雨が降っているというケースが非常に多い。したがって、伊勢原市や秦野市の市街地で雪が積もっていることは非常に稀である。
これは、南からやってきた低気圧の固まりに対して北側から風が呼び込まれ、気温が下がって雪の原因になるという仕組みの、北側からの風を大山が遮断しているためである。
夏場には特徴的なスコール状の雨が降りやすい。湘南方面からの温かい湿った風が大山にぶつかるからである。
こういった特徴のある大山だが、全国の水場に近い山に見られる強風、「颪(おろし)」を吹かせることでも有名である。
大山おろしは、住んでいる人間からすると大変迷惑である。特に夜になって吹き始めることが多いため、夜中じゅう雨戸がガタガタガタガタ音を立てる。
普段あまり存在感の無い大山の、存在主張なのだろうがやめてほしい。