カムット小麦の加工品 パスタにビール
古代エジプトファラオの墓から人為的に復活させたという胡散臭い由緒正しい由来のカムット小麦。カムット小麦もスペルト小麦に同じく、小麦アレルギーが起きにくい特性や豊富なミネラル、消化し易さなどの特徴を生かし加工製品として市場に出ている。
カムット小麦粉を使った乾燥パスタ
乾燥パスタはデュラムのセモリナ以外の小麦粉では作ってはならない!と原理主義者が吠えそうなものだが、スペルト小麦に同じくカムット小麦粉を使ったパスタというものがある。しかも、スペルト小麦のパスタの紹介で挙げた両メーカーが、それぞれカムット小麦のものも発売しているという。カムット小麦のムーブメントはアメリカ・カナダ発であった筈なのに、不思議なものだ。
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カムット小麦を使ったビール
スペルト小麦の場合と同じく、カムット小麦も単一品種でビールの原料として使われるよりは、ベルギー人が喜びそうな"こんなに沢山原料入れちゃいました"系のビールで、原料の1つとして並んでいるということが多い。
Hopworks Urban Breweryのカムットビール
HUBサバイバル 7グレインスタウト 5.3/650 [12349] |
サバイバル7グレインスタウトは、名前がもう"7種類使っちゃいました"というもの。この7種類は大麦・小麦・オート麦・アマランサス・キヌア・スペルト・カムットである。このHUBはあのHUBではなく(ちなみにHUBで出てくるハブエールの生産者はエチゴビール。知ってました?)、オレゴン州ポートランドのHopworks Urban Breweryというブルワー。オレゴン州はカムット小麦の上陸地モンタナ州の近くなので納得。いや、折角だから単一品種でも醸造してよと思ってしまうのだが。
Baladinのカムットビール
三井食品が輸入しており、日本でも知名度が上がってきたイタリアのBaladin。オープンソースのクラフトビールであるオープンシリーズでも有名。そのバラデンにnoraという銘柄があり、こちらはカムット単一品種のスパイスエールだ。ただし、日本に輸入されている銘柄には入っていない。まあさすがに日本人にエジプト由来というセールスポイントはピンと来ない。
ちなみに、wayanという銘柄ではスペルトが原料の1つとして使われている(他に大麦・小麦・ソバ・ライ麦)。こちらも輸入はされていない。
K3 Brauerのカムットビール
検索していたらたまたま発見した、イタリアのブルワーK3 Brauer。Spiga Realeという一種類の製品しか出していないが、これがカムットビール。そもそもカムット小麦のビールが存在しない、それならば作ってしまおうという動機で作られた会社であるらしい。
案外加工製品もカムット小麦の栽培発祥地アメリカではなく、スローフード運動が誕生し、スペルト小麦という品種を有しているイタリアで多く作られているようだ。これは意外であったが、アメリカに製品を輸出することも当て込んでいるのかもしれない。