お雑煮にハバノリ
秦野市の雑煮について調べていたところ、一部の地域では雑煮にハバノリを入れて縁起物とする風習が残っているらしいと情報を得た。
ハバノリというと、冬場に海沿いを走っていると、「ハバノリ始めました」のような看板が土産物屋に立っていたりもする、冬の風物詩で、見た目は隙間だらけの大味な海苔のようなのだが、値段がべらぼうに高く、はたして誰がそれを購入しているのか不明な土産物である。
ハバノリが縁起物になるのは、名前から「幅を利かせる」という連想が行われるため。すると縁起物として末席を得たのはハバノリと名付けた名付け親の手柄ということになる。あるいは、海苔業界で縁起物をねじ込み売り上げに繋げた例としては、恵方巻きという行事を思い浮かべることが出来る。ハバノリが縁起物となった経緯にも、同様に大人の事情が存在するかもしれない。
さて、秦野市で全ての家庭がハバノリを雑煮に入れるかというと、そういうわけではなく、どうもこの風習のメッカは小田原方面の西湘地方で、秦野市では交流があった南西部で雑煮の具として使われるらしい。秦野市の雑煮は醤油ベースに角餅で、具は大根や里芋といった至ってノーマルな関東風。秦野盆地は独特な文化を持つ土地だとよく言われる。雑煮がノーマルタイプだと面白くないので、変化をつけるためにもハバノリ雑煮が広まると良い。伊勢原との差別化!