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スペルト小麦粉の加工特性を活かしたパンやパスタ、ラーメンでの使用例

古代麦スペルト小麦の利用方法は、スープ・サラダの具として種子をそのまま食すことや、発芽させてビールにすることに留まらない。当たり前だけれども、小麦粉にして利用することができる。

小麦粉にされたスペルト小麦は、市場に出回っているスペルト小麦の粉を見るに、準強力粉か強力粉のカテゴリに入るようだ。蛋白質含有量でみると、大体13%くらい。

"強力粉"として販売されているスペルト小麦粉
こちらは"準強力粉"のスペルト小麦粉

スペルト小麦粉の加工特性

現代の品種改良された小麦から作られる小麦粉と異なり、スペルト小麦の小麦粉は独特な加工特性をもつという。水を入れてグルテンが形成されるまでの時間が短く、すぐにパンや麺類の生地の形になり易い。その一方で、生地がダレるまでの時間も短いので、発酵時間が必要なパン生地としては、他の小麦粉とも合わせて使うなどの工夫が必要なようだ。

スペルト小麦を使ってパンを焼いている店は、たまに見かける。とりあえず湘南という括りでは、以前エコモノ市で紹介した藤沢市ecomoのmarumaruというパン屋が、スペルト小麦のパンを扱っていたりするようだ。

デュラム小麦の代替としてパスタにされるスペルト小麦

既に説明した通り、イタリアの乾燥パスタは必ずデュラム小麦のセモリナを原料としていなければならない。これは1967年の法律でもって定められているというのは、結構有名なトリビア。ところが、イタリアのいくつかの生産者組合がファッロ(スペルト小麦)100%のパスタを販売している。イタリア国内向けホームページを見ても、商品名に"Pasta"と表示されているわけで、スペルト小麦については小麦アレルギーが起こりにくいということで、デュラムセモリナにカバーできない需要を見越せるから、パスタ法の例外となっているのかもしれない。とにかく、スペルト小麦の乾燥パスタは実例として存在する。

アルチェネロのスペルト小麦パスタ
ラ・テラ・エ・イル・チェロのスペルト小麦パスタ

スペルト小麦でラーメンを作ってしまった例

準強力粉の範疇に入るのならば、中華麺も照準に入ってくる。TOKIOの春よ恋を使った世界一うまいラーメンではないけれど、スペルト小麦を使ってラーメンを作れば、かなり独特のものが出来るのではないだろうか。

と、スペルト小麦ラーメンの実例を探してみたら、意外にも神奈川県にあった。横浜中華街の広東名菜隆蓮というお店で、不老長寿の海鮮スープ麺というメニューを出しており、こちらの麺がスペルト小麦になるらしい。これは是非試してみたいところだ。

 

スペルト小麦粉の利用例をいくつか挙げてみたが、スペルト小麦粉の加工利用は、国内ではまだ未開拓な部分が多いという印象。日本人らしい、イタリア人に思いもつかない利用方法がこれから期待されるところである。