5月5日は大磯町で相模国府祭(こうのまち)
今年も相模国の一宮から四宮、そして平塚八幡宮の神様が大磯町に大集結する、相模国府祭(こうのまち)が開催間近である。
と、このような書き出しで、何やら各地のゆるキャラが大集結するゆるキャライベントの主旨を思い出してしまったが、もしかしたら歴史的には、今のゆるキャラグランプリのような位置づけのイベントであったのかもしれない。神のみぞ知る。
相模国府祭とは
相模国府祭というのは、以前紹介するエントリを書いたけれど、相武国と磯長国という2国が合併し相模国となる際に生じた序列争いを、「座問答」と呼ばれる行事に落とし込んだ祭である。
座問答という行事では、旧相武国を代表する一宮寒川神社と、旧磯長国の代表二宮川匂神社が向かい合い、それぞれ虎の毛皮を交互に上座へと動かしていき「我が国の方が序列が上であるぞ」という主張をする。そして、最終的には三宮比々多神社が「結論は翌年にしましょう」と提案して、問答が終わるという形をとる。
この座問答を注視するために、相模国の一宮から四宮、それから平塚八幡宮の神様が大磯町の神揃山(かみそりやま)という小山に集うわけだ。どうやって集うのかというと、神様の乗り物である神輿で担がれていく。なお現在は、トラックを使って道程を少し楽にするなどしているが、かつては勿論人が担いでいったため、国府祭の行き帰りに道なき道を強行突破していっただの、川を渡る段になって揉め事をおこし神輿を紛失しただの(そして浜降祭という祭の起源となったり)、神社によっては変わったエピソードがある。
相模国府祭に参加する神輿の見所など
したがって、相模国の5社にとっては神輿が出立して神揃山に行き、無事に帰ってくるというところまでが国府祭なのだ。現在でも神社を出立する際と帰ってきた際に神事が行われるが、これが各社ともほぼ同時刻に行われる(出立が7時〜8時頃、還御が17時〜19時頃)ため、各社の国府祭行事を同時に見ることはできない。そこで、毎年毎年どの神社の国府祭を見にいくか、という楽しみ方ができる。
もっとも、神輿が神揃山の麓に到着して会場入りをする際には、レスラーのように独自の入場パフォーマンスを行ってくれる。そこで、会場入りの10:30前に神揃山に居れば、各社の神輿がどんなものであるかチェックすることができる。
面白い神輿ということでは、平塚市にある四之宮前鳥神社の神輿は、麦振舞神事と呼ばれる神人共食の行事を行ってから会場入りする。この相模国で唯一の神人共食行事は、本来国府祭の神輿出立前に行われるものであったが、現在では神揃山の麓で行われるほか、毎年の例大祭宵宮でも行われているようである。
また、座問答で争いを仲裁する役の三宮比々多神社だが、その神輿は暴れ神輿と呼ばれ、神輿を振り回し周囲にわざとぶつかるなど荒々しい担ぎ方をする。
またいずれの神輿も相州の神輿ということで、どっこい担ぎというユニークな担ぎ方をされる場合が多い。県外から見に来る方は、是非担ぎ方や掛け声、それから神輿のわきに付属しているけったいな把っ手(笑)に注目してみてほしい。
相模国府祭スケジュール
相模国府祭の各神社スケジュールについては、ホームページ情報などを参照してほしい。
- 六所神社(相模国総社)国府祭スケジュール
- 一宮寒川神社 国府祭スケジュール
- 二宮川匂神社 発見できず…二宮町観光協会に問い合わせるのが良い?
- 三之宮比々多神社 国府祭スケジュール
- 四宮前鳥神社 発見できず…神社のホームページはある
- 平塚八幡宮 Facebookにスケジュールを発見
各社の神輿が揃ってから合同で行われる行事のスケジュールは、大磯町観光協会ページに掲載されている。だいたい10:30頃に神揃山麓に各社の神輿が揃って、11:00までに登山。座問答は正午から。14:00くらいに神揃山を下山して、会場を馬場公園へと移す。神輿が帰り始めるのは、16:00頃から。
天気が良ければ、人出もきっと多くなることだろう。5月5日こどもの日の行事というのは競合も多いけれど、1000年以上続くゆるキャライベント(着ぐるみの代わりが神輿ということで)に興味をもったら、是非。