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秦野市でSEOしつつ、神奈川県ご当地ネタ・地域情報を書くブログ。湘南・小田急線・グルメ・温泉がマイブーム。

ハリオのセラミックコーヒーミルMSS-1TB。ついついコーヒー関連器具ばかり揃えて

今週のお題今年買ってよかったもの」に、そういえば例年はコーヒー関連の器具で応募していたのだと思い出したので、改めて(投稿時にお題が切り替わってしまっているのはご愛嬌)。

2015年・2016年に買って良かったものもコーヒー関連

過去の年のおさらいをすると、まず2015年に買って良かったものが、蒸気レスの電気ケトル

hadanon.hatenablog.com

このタイプのケトルはお湯を湧かしても100度ギリギリまでにはならず、コーヒーを淹れるのに最適な90度少々上くらいの温度で湧く。そのうえ注ぎ口がちょうど豆を蒸らしながらチョロチョロと湯を注ぐのに適しているということで、購入した次のステップとしてついついコーヒー器具を揃えたくなった

ということで、2016年に購入したのが手動式エスプレッソメーカーのエアロプレス。

hadanon.hatenablog.comエントリ内でも力説しているが、このエアロプレスの何が良いって高クオリティのエスプレッソが作れるのは勿論、部品点数が少なく洗浄などの管理が楽だということだ。どんなに高級なエスプレッソメーカーを買っても、機構が複雑で洗浄するのが難しかったりすると前に使用した際の豆が内部に残って雑味の原因となる。コーヒーの豆の違いなんかよりも、雑味があるかないかだけは淹れた際にはっきりと分かってしまうのでココが一番重要だと思っている。その点エアロプレスならば、形状がシンプルで丸洗いが可能である。そして1年以上経っても特段気になる本体の劣化が無い。まさに良い買い物であった。

そしてエアロプレスという相棒的なエスプレッソメーカーを手に入れたことで、2017年にはまたしてもコーヒー関連の器具を充実させたくなってしまったのだ。ついついコーヒー器具を揃えたくなってしまった

焙煎豆の長期保存&品質維持のため、コーヒーミルを欲しがる

エアロプレス購入のおかげで、2017年は様々な街の焙煎豆専門店に足を延ばし、新たな豆を試してみるといった人生の楽しみが増えた(ドライブの動機になるほど)。ただコーヒーミルが手許に無い場合、毎回店で既に挽かれた状態の豆を買ってくることになり、この挽かれた状態の豆の香りが冷凍保存しても1週間かそこらで飛んでいってしまうということを考えると、100gずつとか不経済な買い方しかできなかった。これがミルが手許にありさえすれば、もう少し多くの種類・量を効率的にまとめ買いできる。焙煎された豆を買ってきてそのままの状態で冷凍保存をして使用時に挽くようにすれば、1ヶ月間くらいは元の香りのまま楽しむことが出来る。ドリップ初心者の頃はわざわざ自宅用にコーヒーミルをスタンバイしているコーヒーオタクのことを理解の範疇を超えた存在として眺めていたが、別にオーディオ関連のオタクのように自宅のシステムが一番美味しくなるとかそういった宗教的理由ではなく、ミルがあれば豆のまとめ買いができるという至極真っ当な理由によるものだったのだ。

定番コーヒーミル"ポーレックス"と本製品で比較検討

コーヒーミルを導入することを決めてから、ひととおりの製品の情報や評判をチェックして、候補をある程度絞ってみた。方針としては、エアロプレスの優位点にも通ずるところあるのだが、基本的にシンプルで管理が容易なものほど素晴らしいという原則に従う。そのような点からすると、いわゆるコーヒーミルという言葉から連想される手回し式でミルの下部に木製の引き出しがついているタイプ、これは毎回きちんと洗浄しきることが難しそうで候補から外れる。また、大掛かりな電動のミルも分解の手間を考えるとふさわしくない。

そして、豆を砕く刃の部分についても金属製よりセラミックで臼状のものの方が洗浄が容易に思えた。このタイプの製品で定番と言えるのは、"ポーレックス"という大阪のメーカーの製品で、見た目もシンプル。エアロプレスにもよく似合う。


 

ただこちらの製品は昔は安く購入できたらしいのだが、現在では定番製品であるため販売価格も上がってきているという(なんだかトラックボールのM570tの話を思い出したのはさておき)。支持される理由の主なものが、登山の際に持ち歩いてもかさばらないし頑丈であるというもの。登山用品カテゴリに入ってしまっているため価格帯が上になってしまっているのだろう。でも、個人的な用途を考えると登山適正などは全く要らない。

そこで、セラミック臼を使って、部品点数が少なそうで、分解洗浄が楽そうで、ちゃんと聞いたことのあるメーカーの製品という条件を兼ね備えたハリオのMSS-1TBを購入してみた。販売価格がポーレックスの3分の1くらいなので、コーヒーミル自体のお試し導入という意味で、1年くらい保ってくれれば御の字。


 

まだ1年は使っていないのだが、今のところ不具合も無く稼働している。ポーレックスほどではないけれども、プラ製部品の質感などエアロプレスのデザインにマッチしないこともない。

買い物の総括と来年へのフリ

分解と洗浄については、エアロプレスよりは面倒だけれども(そもそもそれはコーヒーミルの性質上仕方が無いところだと思う)、都度洗いが苦にならないレベル。特にセラミック臼の部分は力を入れて擦ってコーヒー豆の脂を落とすことができるので、想定通りの良い買い物ができたというのが結論だ。でもこんな調子で買い物をして、来年はどのようなコーヒー器具が新たに増えてしまっているだろうか、それだけが心配だけれども。

29BYの新酒 吉川醸造「にごり酒」を呑む

伊勢原市にある唯一の日本酒蔵といえば、同市神戸にある吉川醸造である。菊勇という銘柄が有名で、伊勢原市内ではこの菊勇と書かれた看板を良く目にする。ちなみに菊勇の読み方は"きくゆう"で、山形県酒田市にある菊勇株式会社の日本酒"きくいさみ"との関係は無い。ついでながら酒蔵さんの名前も"きっかわじょうぞう"である。結構長い間、この読み方を間違えて覚えていた。

吉川醸造の特徴と、お酒のラインナップ

吉川醸造の酒造りの特徴として、蓋麹法が全グレードの日本酒の麹作りに使われているというものがあるらしい。蓋麹法は在来法とも呼ばれる古くからの麹の作り方で、麹蓋と呼ばれる容器に一升くらいに小分けした麹米を入れて麹菌を繁殖させていく方法である。小分けされているため菌の繁殖具合を見て麹室内での位置を変えたりして、品質を均等に保てるが、その分作業に手間や人員が必要になる。現在では容器をより大きくした箱麹法や、麹作り自体を機械に任せてしまう機械製麹法などが日本酒造りで使われることが多いが、吟醸酒などの高グレードの日本酒の麹作りにはやはり蓋麹法が採用されているらしい。吉川醸造では一度は麹作りを機械化したが、こだわりのため戻したということ。

お酒のラインナップは、菊勇の佳饌・上饌などの普通酒にそれぞれ甘口・辛口がある。そして純米酒の「相模大山」、本醸造と原酒で「大山の宿」という銘柄もある。そして大吟醸の「杜氏のよろこび」など。

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相模大山 純米酒 1,800ml
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吉川醸造にごり酒」29BYの感想

11月後半より伊勢原市内の酒販店には、吉川醸造の29BYの酒が並び始めた。まず第一弾として、「にごり酒」と「生酒」の2つのラインナップが出ている。ちなみにホームページによると吟醸酒吟醸純米酒は12月10日以降に出荷するらしい。

にごり酒」と「生酒」どちらもアル添。折角下位グレードの酒にまでこだわりの麹を使っているのだから、アル添せずに出荷すれば良いのに…とアル添苦手な私などは思ってしまうのだが、アル添の恩恵か「にごり酒」などは四合瓶で750円くらいで買えてしまう。さらに300mlの瓶にいたっては300円台。近隣の酒蔵でも一番早い29BYであったし、迷わず手を出してしまう。

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それでは味はどうか。確かに添加されたアルコールが上澄みの多くを占めているような気がするが、いやらしい味はしない。アル添容認派がよく、味を落ち着かせるためにわざとアル添している蔵もあると主張しているが(十中八九それはアル添蔵の片棒担がされている)、経済的理由以外にそういった役割も持ったアル添なのかもしれない。

口当たりとにかく鮮烈で、ブルーチーズの香りのようだ。甘ったるさが無いので、本当にチーズを楽しむように楽しめてしまうと思う。それでいて呑み込んでいくと発酵前の米の面影がとてもあり、新酒のよろこびを感じられる製品としてはこの上ない。

恒例のお約束であるが、最後の残りを熱燗にしてみる。うん、熱燗になると甘くない甘酒のようになってしまい、日本酒を呑んでいる感がなくなってくる。

この酒は日本酒だろうが洋酒だろうが酒の種類を問わないちゃんぽん呑みをする際の、1本目として是非呑みたいところ。忘年会や新年会の1本として是非どうだろうか。

M570チャタリング難民の私が2017年に買って良かったもの

今週のお題システムを殆ど活用していない私が唯一、年間行事の一つであるかのように毎年答えている、「今年買ってよかったもの」。2017年のモノは、あるワイヤレストラックボールのユーザを悩ませ続ける問題を解消できるかもしれないアイテムである。

ロジクールのベストセラートラックボールM570

PCのポインティングデバイスとして、トラックボールの便利さに慣れてしまった人間は以降もマウスに戻ることなくトラックボールを欲する体になりがちだ。ただ同じトラックボールでもボールがどの指に当たるかとか、手のひらにどのように収まるかとか微妙な使い勝手は異なる。状況さえ許せば同じトラックボールを10年も20年も使い続けたいと思うのが、トラックボールのヘビーユーザーなのだ。

ここで一つのベストセラーワイヤレストラックボールを紹介したい。ロジクール社のM570(M570t)である。このトラックボールは2010年に発売され、コストパフォーマンスの高さから多くのワイヤレストラックボールランキングでセルランキング1位になり続けている。価格の安さに加え大型電気店で扱っているという販路の広さ、そして最大3年のメーカー保証がついていたりと、長所が沢山存在する。トラックボールについては永らくKensington社派であった私も、手持ちのトラックボールが最新OSに未対応といったような状況をきっかけに試し買いのように買ったM570に、今ではすっかり慣れきってしまった。


 

M570のチャタリング問題とメーカーの対応

ところがこのベストセラー商品にはある落とし穴がある。それがGoogleなどでM570と入力すると検索候補にも出てくる、チャタリング問題だ。チャタリングとは手持ちのトラックボールでシングルクリックをした際にあたかもダブルクリックをしたかのように判定されてしまう現象で、M570をある程度長く使っているとこの現象が現れてくる。チャタリングが発生するようになったM570は、頼んでもいないのにダブルクリックでファイルのオープンをしてくれたり、ウィンドウをドラッグ中に勝手に途中にドロップしてくれて、あげくウィンドウサイズを変更してくれたりする。

チャタリング問題でロジクールのサポートに電話すると、3年の保証期間内であれば交換品を送付しますという対応をされる。その際に現在使用中でチャタリングの発生したM570を送付してくれと言われることもない。そのためヘビーユーザーの家にはチャタリングするM570がどんどん貯まっていくという。私の場合交換対応の情報に気付いたのが3年保証の終わるギリギリの時期であったため、交換は1度行い、合計で2つのM570を所持することとなった。

で、保証期間の切れた後に2台目のM570にチャタリングが起きて、いかにすべきかと対応を思い悩んでいたのである。

M570を置き換えるワイヤレストラックボール製品

勿論、また新しいM570を購入するという選択もある。新しい個体を購入すればまた新たに3年保証が始まるだろうから、チャタリングを起こしてもサポートに電話してまた交換品を送ってもらえば良い。

ただ1度不具合を起こして交換対応になった製品の交換品がまた同じ問題に陥ったというのに、その製品に対して信任的購買をするのはなんだか違うような気がする。これだけ不具合情報が公になっているのにベストセラーになっているのは、3年保証と交換対応を見越して既存ユーザによる買い直しなどされているのだと思うが、そういう製品が天下を取って競合を淘汰するのはおかしい。という面倒臭い理屈で、M570以外の製品を検討してみた。

ロジクール社のMX ERGO

候補に挙がってくるのはまず2017年に発売された同社上位製品のMX ERGOである。


 

この製品はM570と形状も似通っており、同じような感覚で使用することが出来るだろう。M570から追加された機能として本体に好きな傾きをつけられる他、スクロールホイールが水平に傾けられ、その入力を横方向スクロールとして設定することも出来る。ホール下部のスイッチはスクロール速度の切り替えに対応させることが出来る。電池はM570では単3電池使用であったがこの製品は本体内蔵型バッテリであり、最長4ヶ月の駆動が可能であるという。保証期間は2年間と短くなったが、同社サポートの交換対応時のスムーズさを評価するユーザは、2年間でも同社の保証がつくというのは検討すべき事柄であろう。ただし、価格は実売でM570の3倍程度になっておりお手頃感はない。

エレコム M-XT2DRBK/M-XT4DRBK

もう一つの有力な候補が、エレコムのワイヤレストラックボールである。M-XT2DRBKが右手用で、M-XT4DRBKが左手用と利き手に応じて2モデルがある。


 

こちらは価格帯がM570と大体同じで、相場によってはM570より安くなっていることもある。2015年発売製品ということで、ホイールスクロールの水平方向傾斜入力や速度の切り替えなど、M570にはなくMX ERGOに搭載されている機能を搭載している。また、ネット上のレビューなどを見るとトラックボールの精度がM570よりも劣るらしいが、なんとボールサイズがM570などのロジクールトラックボールと同じであるため換装ができ、それで精度が向上するらしい。家に余らせたチャタリング発生済のM570の使い途としても悪くはないのではないだろうか。

買って良かった、接点復活スプレー

以上の情報をふまえた上で、2017年に買って良かったものは既存M570を修理するための接点復活スプレーである(笑)。

いや、なにせ上の2製品ともOSXドライバの対応が10.10以降なのである。MX ERGOにいたっては、10.12以上と書いてあるではないか。家の10.9 Mavericks機をバージョンアップさせるとどれだけのソフトウェア/ハードウェアが動かなくなるか。ということで、買い替えに踏み切れない。

接点復活スプレーの種類選択および、実際の修理の仕方については以下のページを参考にした。

pasokatu.comその上で、KUREのコンタクトスプレーを購入。

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【呉工業 クレ KURE】コンタクトスプレー 接点復活剤 300ml
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コンタクトスプレーは、街の電気店やら小型ホームセンターやらでは取り扱いがなかった(結局車で厚木市の大型ホームセンターまで行った記憶がある)。あきらめて通販で注文するのも一つの手である。修理作業にはその他トルクスネジのドライバと綿棒、トラックボール内に溜まったゴミや髪の毛などを取り除く(グリスでひっついていたりして、素手では取りにくい)ピンセットを使用した。修理の結果、チャタリング発生率が完全にゼロにまで戻ったわけではないけれども、交換品を使い始めて数ヶ月くらいの状態には戻った。これでもう少し騙し騙しの運用ができる。

M570はなにぶんベストセラートラックボールであるが故に、チャタリング問題の発生で日本のIT産業の生産力をきっと0.8%くらいは下げているに違いない(数字の根拠は勿論ないです)。買い替えの前に是非接点に復活材をヌリヌリして、ヌリヌリ前とヌリヌリ後の挙動の違いを比べてみて欲しい。

二宮町の湘南オリーブが神奈川県の地域産業資源に選定されるなど

地域産業資産という都道府県指定のリスト項目がある。その内容は、各都道府県が選定するその自治体を代表する農林水産物、鉱工業品及びその生産技術、観光資源のことで、この指定を受けたものを活用し中小企業が事業を行う場合に、平成19年に施行された中小企業地域資源活用促進法を根拠として国から補助金や低金利融資を受けることができるというものである。

神奈川県の地域産業資源に湘南オリーブ等が追加

神奈川県が選定する地域産業資源はこれまで162件があり、その中には湘南ゴールドやら高座豚やら大山のとうふやらの農作物・加工食品系や、箱根温泉やあつぎ鮎まつりなどの観光資源系など各市町村の名物がくまなく選ばれている。そして先日新たにリストに加わったのは、二宮町で栽培される湘南オリーブなどの4件。特にオリーブは二宮町のユニバーサル農場が2004年に県内で初めて栽培を開始し、2011年にオリーブオイルの製造に成功、その結果二宮町が町の新しい名物としてオリーブ栽培を奨励することを決定し、2012年をオリーブ元年として農家に苗木の購入補助などを始め、現在では湘南オリーブの郷と呼ばれる観光農園が出来ているなど町おこしの手段として着々と花開いている。今後より幅広い生産者がオリーブ栽培に従事し、期待される第6次産業化を果たすためにも、ブランドが地域産業資源認定を受けることは重要な一歩であったに違いない。

湘南オリーブはどこまで湘南オリーブになるのか

確かに二宮町のオリーブ元年からこのかた、二宮町に行く用事があると土産物屋でオリーブ加工品を目にすることが多く、名物として浸透してきているように思う。ただそれまでみかん畑であった場所をオリーブ畑に転換して名物化を果たそうという動きは、二宮町の例を参考にして小田原市湯河原町真鶴町などでも広がってきており、それらの町でもオリーブをブランド化して売り出したいとなったときに、今回地域産業資源に認定された湘南オリーブに乗っかってくるのかは分からない。

そもそも現在の状態では、地域産業資源となった湘南オリーブに係る地域は二宮町のみとされており、他地域で栽培したオリーブが制度に乗っかり恩恵を受けることはできないだろう。勿論複数の市町村にまたがった認定というものはあるので今後湘南オリーブの地域に他の市町村が加わることもあるのかもしれないが、その際に二宮町はギリギリ湘南の範囲であったかもしれないけれど、それ以外の地域については西湘になるのでは?という突っ込みを受けてしまうかもしれない(まあそれを言ったら、小田原市大井町で認定されている湘南ゴールドもなかなかあやしいが)。

小田原市などでブランド化が必要になったときには、西湘オリーブとかまた別の名称で認定項目になるのかもしれない(同種のものが別名称で認定されるケースがあるのは、リストにオシツケとアブラボウズが別々に認定されているので大丈夫なのだろう)。それが消費者の混乱を引き起こして、共倒れになる結果にならなければよいなと切に願う。

大山から鶴巻温泉への直通バスに落幡村伊勢原市編入の未来を妄想するとか

前回エントリのおさらい。秦野市にある重要な観光資産鶴巻温泉は、首都圏近郊にある温泉で駅チカの公衆温泉施設があるにも関わらず、あまり上手い形でのPRがされてこなかった。けれどもここのところは温泉をPRする設備など投資が増えてきて、さらに鶴巻温泉の地元発で名物"行者おむすび"が登場するなど、観光地として一皮むけるよう頑張っているように見える。その上この11月からは休祝日に隣の伊勢原市の観光資産大山から鶴巻温泉に直通するバスが実証運行されるようになっている。突然どうしちゃったのと思うくらいのやる気の出し方。これはきっと背後に大きな陰謀が隠されているに違いない!という体!

hadanon.hatenablog.com

まさかの落幡村分離工作(妄想)

今回の直通バス運行の手際の良さ、一見すると秦野市がこれまでの鶴巻温泉PRの不足を改め、隣の伊勢原市から宿泊利用客をくすねてやろうという英断にたどり着いたニュースのように見える。だが実際のところは伊勢原市側が鶴巻温泉の辺り(現住所鶴巻/旧村名落幡村)と手を結び、市内の観光地大山と鶴巻温泉を経済的に切り離し難い関係にすることで、伊勢原市側に不自然に突き出た秦野市域、落幡村部分を切り離し観光資産ごと自領に組み込もうとする分離工作が動いているのではないだろうか。

そうした観点で見てみると、直通バス出発時のイベントとして日向薬師の山伏による登山安全祈願がされるのも、大山同様伊勢原市にある日向薬師鶴巻温泉を結びつける行為である…そして鶴巻温泉新名物の"行者おむすび"については、秦野市産というよりは主に鶴巻の狭い範囲産の原料を使って作っており、名称も含めていつでも伊勢原市名物に寝返ることのできる周到さである。これは、遠くない未来に落幡村が秦野市を抜ける未来があるのかも。

そもそもかなり伊勢原的?であった落幡村

ただの妄想を、歴史的経緯などで補完してみる。落幡村はかつて周辺の5村(落幡・真田・南矢名・北矢名・下大槻)とまとまって大根村を形成していたが、1955年3月にその内の真田村が分離して現平塚市域にあたる金目村に参加してしまった結果、長い物には巻かれとこう的に当時近隣で唯一市制を施行していた秦野市に大根村ごと編入されたようだ(1955年4月)。編入時の秦野市はたばこ栽培でブイブイ言わせており、経済的に強者であったという事情もあり秦野市側に参加したが、落幡村は秦野盆地の東の外側に位置するという点で伊勢原市により近く、また伊勢原市内にある相模国三ノ宮比々多神社の神輿がかつて国府祭に向かった際のルートに落幡村があるなど関係が深い。秦野市のたばこ栽培が終わり伊勢原市も市制を施行した現状、落幡村が秦野市伊勢原市のどちらに帰属したがっているのか、非常に不透明な状態なのではなかろうか!

…と、妄想を語ったが、多分そんな陰謀は存在しないと信じたい。なにしろ落幡村が鶴巻温泉ごと伊勢原市になってしまうと、弘法の里湯の市内在住者割引が受けられなくなって困る。困る。どうせなら秦野市の政治力で、逆に大山阿夫利神社あたりまで市域に引き込んでしまって欲しい。ゆるキャラのクルリンもこれによって吸収。これにて秦野市民はみなハッピーになるね。

大山から鶴巻温泉への直通バス実証運行中 登山後温泉ドボーンが可能に

明治中頃だか大正始めだかの開湯以来、一時二時の隆盛はあれど基本的には箱根など他の温泉地に隠れて目立たない存在であった秦野市鶴巻温泉。最近それでは勿体ないと気付いたのか、秦野市がお金をかけてPRのための設備を続けざまにこしらえている。たとえば駅前ロータリーに目立たなく湯が噴出し続ける手湯を造ったり、公衆温泉の弘法の里湯前には無料で入れる足湯を造り、また傍らに持ち帰りが出来る温泉スタンドを造った。

これらの設備はどれも個々の状態ではイマイチ決定力に欠けるというか、市民として費用対効果がどうなの?と問いつめたくなるような具合だったのだけれども、最近はまず駅の貧相な方の出口を高架化してペデストリアンデッキをつける工事をしていたり、また小田急線の車窓からちゃんと見える位置に鶴巻温泉をアピールする幟を出したりと段々個々のPR施策が繋がり、賑やかそうな温泉街を詐称できるくらいになってきた(良い傾向だ)。そして今度は、隣の伊勢原市の鉄板観光地である大山に便乗して観光客を吸い取れるよう、鶴巻温泉までの直通バスを実証運行するという、この欲張りサン♪良い傾向である。

大山ケーブル鶴巻温泉駅直通バスの詳細

直通バスの実証期間は、11月3日(祝・金)から来年の2月4日(日)まで。この期間の土日祝(大晦日・三が日以外)に、鶴巻温泉駅発大山ケーブル行きが午前中2本、大山ケーブル鶴巻温泉行きが1日8本運行される。

鶴巻温泉駅発時刻
9:00・10:50
大山ケーブル発時刻
9:50・11:40・13:10・14:20・15:00・15:40・16:10・17:30

始点から終点までの所要時間は30分。運賃は310円(IC309円)で、途中国道246号三の宮バス停と大山駅、社務局入口などの山内各駅に途中停車する(詳細PDFリンク:秦野観光協会)。

鶴巻温泉駅発の2本は、大山に行くなら前泊に将棋タイトル戦が行われる格調高い旅館陣屋を筆頭とした鶴巻温泉の旅館を使ってね、という意図だろう。それに対して鶴巻温泉行きの方は満遍なく運行されるため、登山や大山阿夫利神社参詣の帰りに公衆温泉の弘法の里湯で垢を洗い落としていってね、公衆温泉はなんと駅徒歩1〜2分程度の場所にあるので、さっぱりしてそのまま汗をかかずに帰りの電車に乗れますよ、という意図なのだろう。特に後者の直通バスは、大山から下りてきて疲れた観光客に大きなアッピールが出来るであろうから、どうせなら露骨にカルシウムイオン含有量が世界でもトップクラスの名湯鶴巻温泉に疲れた体をそのままドボーンできますよ(このバスに乗らないとできませんよ)号とか名称を付けて、露骨な温泉マークなんかをつけたラッピングバスにでもすれば良いのである。海外観光地の客引きみたいな強引さだが、本当に海外観光客もやってくることを考えると、そのくらい強引で丁度良いのである。

鶴巻温泉駅北口広場で関連イベントも

このバスの出発地である鶴巻温泉駅北口広場では、紅葉の季節である11月中の運行日に合わせて、特産品の販売や観光案内、日向薬師の山伏による登山安全祈願など行われるという。そしてこの特産品の中には、いつの間にか出来ていた鶴巻温泉の名物、行者おむすびが含まれる。

行者おむすびは具の無い大きな塩むすび1個とおかずのセットを竹皮に包んだシンプルな見た目だが(なにしろ行者が持ち歩くという設定である)、その中に地元産の幻の米『さとじまん』や落花生、豚肉、はちみつなど鶴巻名物をギッシリと盛り込んだ一品である。秦野市名物というより鶴巻名物とでも言うべき品に陰謀論の妄想が止まらないが(次エントリで解説します)、大山に挑む登山者にこれ以上無いうってつけの活力源となること間違い無しではなかろうか。

湘南ベルマーレJ2優勝で見られたビールかけに吃驚

10月29日(土)にShonan BMWスタジアム平塚で行われた、J2第39節湘南ベルマーレファジアーノ岡山戦。J2の首位を走る湘南は、前日に行われたアビスパ福岡東京ヴェルディの結果により来期からのJ1昇格は一足先に決めていたものの、今節の1-1という結果をもって勝ち点を1積み上げ、その結果2017年の成績を首位で終えることが決定した。つまり優勝である。優勝オメデトウ。

セレモニーで披露された"ビールかけ"

ホームスタジアムで優勝が決まったこともあり、試合後には盛大なセレモニーが行われ、悪天候にも関わらず詰めかけた8780名の観客の前でシャーレが掲げられた。その様子はSNS等で逐一チェックしていたのだが、通常のJリーグクラブの優勝セレモニーと異なる、印象に残る場面が撮影されていた。それが、ビールかけである。

優勝チームのビールかけと言えば、とにもかくにもプロ野球チームのものが思い浮かぶ。ビールかけが始まったのは、キリンビールのサイトにあるコラムが主張するに、1959年南海ホークスの優勝で会場に用意していたキリンビールがかけられたのが日本初だという。チームに在籍していた米プロ野球経験者が現地のシャンパンかけ合いを真似して即席に行ったらしいが、これがその後も日本プロ野球の文化として定着していくのである。現在では優勝が決まりそうなプロ野球チームがあると、ビールかけ用のビールが一緒に試合の行われる会場まで転々と移動していく。

サッカーチームによるビールかけの例もある

欧州のサッカーチームの場合、他のチームスポーツと同じように優勝後シャンパンのかけ合いを行うことも多く、欧州サッカーを手本として輸入・吸収してきた日本のJリーグでも、優勝後にわざわざ用意したシャンパンをかけ合って祝福をすることが多い。炭酸が入っている酒であれば別に大量に手に入り易いビールでも良い筈なのであるが、なんとなくサッカー界に蔓延する、"野球とは違うんだぞ"感のためか、ビールかけによるセレモニーは避けられている感がある。これがなでしこリーグのチームの場合、そういった意地が存在しないため普通にビールかけが行われたりするので面白い。

ただ、欧州サッカーチームでビールかけが全く行われないわけではない。最近放映が多くなってきたブンデスリーガのチームでは、優勝セレモニーで現地醸造のビールをかけあうこともある。サッカーに詳しい人間であれば、常勝チームであるバイエルンミュンヘンのセレモニーでグァルディオラ監督が頭からかけられていたり、リベリーが飲酒NGであるイスラム教徒であるのに関わらずビールをかけられて激怒していた場面など思い浮かぶかもしれない。欧州にまねぶにしても、ビールかけがサッカーに全くそぐわないというわけでは決してないのだ。

日本サッカークラブチームによるシャンパンかけの翻案

優勝セレモニーでシャンパンかけの絵面を見せたいけれども、シャンパンが手に入りにくいという状況を解決するため、日本のサッカーチームではシャンパンの代わりに様々なものをかけあった前例があるという。

愛媛県にあるJリーグクラブ(現在はJ2)愛媛FCでは、2005年JFLで優勝を経験しJ2への昇格が決定した際に、愛媛名物であるポンジュースをかけあって祝福を行ったという。もはや炭酸すら入っていないのでどういう絵面になるのか計り知れないが、シャンパンかけの翻案というよりむしろ、NFLゲータレードシャワーを翻案したものなのかもしれない。

群馬県にあるJリーグクラブ(現在はJ2)ザスパクサツ群馬は、サポーターが草津温泉の湯もみの動作で応援したりととにかく温泉に縁が深いクラブであるが、2004年のJリーグ昇格決定時を始めとして祝い事があった際には、湯かけを行うらしい。もうこの湯かけレベルになってくると、シャンパンかけの翻案というよりは日本伝統の湯立神楽の延長として民俗学的研究対象とした方がよろしいのかもしれない。

湘南ベルマーレオフィシャルビールによるビールかけ

このように、財政的に大型クラブとは言い難い地域密着型のJリーグクラブでは、シャンパンを手配出来ない代わりに地域の特色をアピールする液体をかけあって祝福をする傾向が出てきている。むしろ、クラブマスコットにこれでもかと地域の意匠が盛り込まれるのと同様に、祝福セレモニーの際にかけ合う液体についても地域のアピールは欠かすことは出来ない、と変なハードルが設定されているようにも感じる。J1とJ2以下では雰囲気がまるで別のスポーツリーグであると感じるのも、こういったところが原因か。

そして、冒頭で紹介した湘南ベルマーレのセレモニーに戻る。このセレモニーで用意されていたビールは、厚木市の地ビールメーカーサンクトガーレンが製造する湘南ベルマーレのオフィシャルビールであったのだ。地域の特色をアピールする液体として、湘南で栽培がされているオレンジの品種、湘南ゴールドを使用したベルマーレビールはまさにうってつけであったに違いない。

ベルマーレビールの"中身"と思われる"湘南ゴールド"

 

ただのタイアップ商品というわけではなく、湘南の試合があるとスタジアムに屋台が出ていて注文することが出来る。"中身"ビールの"湘南ゴールド"は夏期限定販売であり既に手に入れにくくなっているが、ビールかけで使われていたもう1本のビールが"感謝の一升瓶ビール"。こちらは賞味期限が短め(30日間)なので贈答用には直前注文が必要だが、通年で販売している。

一升瓶に入ったビール

 

ということで、湘南ベルマーレJ2優勝ビールかけの何に吃驚したかというと、地域の特色も出しつつシャンパンかけのような絵面を出しつつ手に入り易さも解決するという方法として、地ビールを採用していたというのが妙案だと感じたからだ。

まあ、一介のビールファンとしては、今回ビールかけに使われたビールの税金がかけられた後の市場小売価格も知っているため、思わず反射的に「勿体ない!」と言ってしまいそうになったことも付け加えておく。プロ野球チームのビールかけを、第三のビール片手にテレビで見る野球ファンの気持ちが少し分かったような。