秦野でSEOなどしつつ神奈川県ネタブログ

秦野市でSEOしつつ、神奈川県ご当地ネタ・地域情報を書くブログ。湘南・小田急線・グルメ・温泉がマイブーム。

大山から鶴巻温泉への直通バス実証運行中 登山後温泉ドボーンが可能に

明治中頃だか大正始めだかの開湯以来、一時二時の隆盛はあれど基本的には箱根など他の温泉地に隠れて目立たない存在であった秦野市鶴巻温泉。最近それでは勿体ないと気付いたのか、秦野市がお金をかけてPRのための設備を続けざまにこしらえている。たとえば駅前ロータリーに目立たなく湯が噴出し続ける手湯を造ったり、公衆温泉の弘法の里湯前には無料で入れる足湯を造り、また傍らに持ち帰りが出来る温泉スタンドを造った。

これらの設備はどれも個々の状態ではイマイチ決定力に欠けるというか、市民として費用対効果がどうなの?と問いつめたくなるような具合だったのだけれども、最近はまず駅の貧相な方の出口を高架化してペデストリアンデッキをつける工事をしていたり、また小田急線の車窓からちゃんと見える位置に鶴巻温泉をアピールする幟を出したりと段々個々のPR施策が繋がり、賑やかそうな温泉街を詐称できるくらいになってきた(良い傾向だ)。そして今度は、隣の伊勢原市の鉄板観光地である大山に便乗して観光客を吸い取れるよう、鶴巻温泉までの直通バスを実証運行するという、この欲張りサン♪良い傾向である。

大山ケーブル鶴巻温泉駅直通バスの詳細

直通バスの実証期間は、11月3日(祝・金)から来年の2月4日(日)まで。この期間の土日祝(大晦日・三が日以外)に、鶴巻温泉駅発大山ケーブル行きが午前中2本、大山ケーブル鶴巻温泉行きが1日8本運行される。

鶴巻温泉駅発時刻
9:00・10:50
大山ケーブル発時刻
9:50・11:40・13:10・14:20・15:00・15:40・16:10・17:30

始点から終点までの所要時間は30分。運賃は310円(IC309円)で、途中国道246号三の宮バス停と大山駅、社務局入口などの山内各駅に途中停車する(詳細PDFリンク:秦野観光協会)。

鶴巻温泉駅発の2本は、大山に行くなら前泊に将棋タイトル戦が行われる格調高い旅館陣屋を筆頭とした鶴巻温泉の旅館を使ってね、という意図だろう。それに対して鶴巻温泉行きの方は満遍なく運行されるため、登山や大山阿夫利神社参詣の帰りに公衆温泉の弘法の里湯で垢を洗い落としていってね、公衆温泉はなんと駅徒歩1〜2分程度の場所にあるので、さっぱりしてそのまま汗をかかずに帰りの電車に乗れますよ、という意図なのだろう。特に後者の直通バスは、大山から下りてきて疲れた観光客に大きなアッピールが出来るであろうから、どうせなら露骨にカルシウムイオン含有量が世界でもトップクラスの名湯鶴巻温泉に疲れた体をそのままドボーンできますよ(このバスに乗らないとできませんよ)号とか名称を付けて、露骨な温泉マークなんかをつけたラッピングバスにでもすれば良いのである。海外観光地の客引きみたいな強引さだが、本当に海外観光客もやってくることを考えると、そのくらい強引で丁度良いのである。

鶴巻温泉駅北口広場で関連イベントも

このバスの出発地である鶴巻温泉駅北口広場では、紅葉の季節である11月中の運行日に合わせて、特産品の販売や観光案内、日向薬師の山伏による登山安全祈願など行われるという。そしてこの特産品の中には、いつの間にか出来ていた鶴巻温泉の名物、行者おむすびが含まれる。

行者おむすびは具の無い大きな塩むすび1個とおかずのセットを竹皮に包んだシンプルな見た目だが(なにしろ行者が持ち歩くという設定である)、その中に地元産の幻の米『さとじまん』や落花生、豚肉、はちみつなど鶴巻名物をギッシリと盛り込んだ一品である。秦野市名物というより鶴巻名物とでも言うべき品に陰謀論の妄想が止まらないが(次エントリで解説します)、大山に挑む登山者にこれ以上無いうってつけの活力源となること間違い無しではなかろうか。

湘南ベルマーレJ2優勝で見られたビールかけに吃驚

10月29日(土)にShonan BMWスタジアム平塚で行われた、J2第39節湘南ベルマーレファジアーノ岡山戦。J2の首位を走る湘南は、前日に行われたアビスパ福岡東京ヴェルディの結果により来期からのJ1昇格は一足先に決めていたものの、今節の1-1という結果をもって勝ち点を1積み上げ、その結果2017年の成績を首位で終えることが決定した。つまり優勝である。優勝オメデトウ。

セレモニーで披露された"ビールかけ"

ホームスタジアムで優勝が決まったこともあり、試合後には盛大なセレモニーが行われ、悪天候にも関わらず詰めかけた8780名の観客の前でシャーレが掲げられた。その様子はSNS等で逐一チェックしていたのだが、通常のJリーグクラブの優勝セレモニーと異なる、印象に残る場面が撮影されていた。それが、ビールかけである。

優勝チームのビールかけと言えば、とにもかくにもプロ野球チームのものが思い浮かぶ。ビールかけが始まったのは、キリンビールのサイトにあるコラムが主張するに、1959年南海ホークスの優勝で会場に用意していたキリンビールがかけられたのが日本初だという。チームに在籍していた米プロ野球経験者が現地のシャンパンかけ合いを真似して即席に行ったらしいが、これがその後も日本プロ野球の文化として定着していくのである。現在では優勝が決まりそうなプロ野球チームがあると、ビールかけ用のビールが一緒に試合の行われる会場まで転々と移動していく。

サッカーチームによるビールかけの例もある

欧州のサッカーチームの場合、他のチームスポーツと同じように優勝後シャンパンのかけ合いを行うことも多く、欧州サッカーを手本として輸入・吸収してきた日本のJリーグでも、優勝後にわざわざ用意したシャンパンをかけ合って祝福をすることが多い。炭酸が入っている酒であれば別に大量に手に入り易いビールでも良い筈なのであるが、なんとなくサッカー界に蔓延する、"野球とは違うんだぞ"感のためか、ビールかけによるセレモニーは避けられている感がある。これがなでしこリーグのチームの場合、そういった意地が存在しないため普通にビールかけが行われたりするので面白い。

ただ、欧州サッカーチームでビールかけが全く行われないわけではない。最近放映が多くなってきたブンデスリーガのチームでは、優勝セレモニーで現地醸造のビールをかけあうこともある。サッカーに詳しい人間であれば、常勝チームであるバイエルンミュンヘンのセレモニーでグァルディオラ監督が頭からかけられていたり、リベリーが飲酒NGであるイスラム教徒であるのに関わらずビールをかけられて激怒していた場面など思い浮かぶかもしれない。欧州にまねぶにしても、ビールかけがサッカーに全くそぐわないというわけでは決してないのだ。

日本サッカークラブチームによるシャンパンかけの翻案

優勝セレモニーでシャンパンかけの絵面を見せたいけれども、シャンパンが手に入りにくいという状況を解決するため、日本のサッカーチームではシャンパンの代わりに様々なものをかけあった前例があるという。

愛媛県にあるJリーグクラブ(現在はJ2)愛媛FCでは、2005年JFLで優勝を経験しJ2への昇格が決定した際に、愛媛名物であるポンジュースをかけあって祝福を行ったという。もはや炭酸すら入っていないのでどういう絵面になるのか計り知れないが、シャンパンかけの翻案というよりむしろ、NFLゲータレードシャワーを翻案したものなのかもしれない。

群馬県にあるJリーグクラブ(現在はJ2)ザスパクサツ群馬は、サポーターが草津温泉の湯もみの動作で応援したりととにかく温泉に縁が深いクラブであるが、2004年のJリーグ昇格決定時を始めとして祝い事があった際には、湯かけを行うらしい。もうこの湯かけレベルになってくると、シャンパンかけの翻案というよりは日本伝統の湯立神楽の延長として民俗学的研究対象とした方がよろしいのかもしれない。

湘南ベルマーレオフィシャルビールによるビールかけ

このように、財政的に大型クラブとは言い難い地域密着型のJリーグクラブでは、シャンパンを手配出来ない代わりに地域の特色をアピールする液体をかけあって祝福をする傾向が出てきている。むしろ、クラブマスコットにこれでもかと地域の意匠が盛り込まれるのと同様に、祝福セレモニーの際にかけ合う液体についても地域のアピールは欠かすことは出来ない、と変なハードルが設定されているようにも感じる。J1とJ2以下では雰囲気がまるで別のスポーツリーグであると感じるのも、こういったところが原因か。

そして、冒頭で紹介した湘南ベルマーレのセレモニーに戻る。このセレモニーで用意されていたビールは、厚木市の地ビールメーカーサンクトガーレンが製造する湘南ベルマーレのオフィシャルビールであったのだ。地域の特色をアピールする液体として、湘南で栽培がされているオレンジの品種、湘南ゴールドを使用したベルマーレビールはまさにうってつけであったに違いない。

ベルマーレビールの"中身"と思われる"湘南ゴールド"

 

ただのタイアップ商品というわけではなく、湘南の試合があるとスタジアムに屋台が出ていて注文することが出来る。"中身"ビールの"湘南ゴールド"は夏期限定販売であり既に手に入れにくくなっているが、ビールかけで使われていたもう1本のビールが"感謝の一升瓶ビール"。こちらは賞味期限が短め(30日間)なので贈答用には直前注文が必要だが、通年で販売している。

一升瓶に入ったビール

 

ということで、湘南ベルマーレJ2優勝ビールかけの何に吃驚したかというと、地域の特色も出しつつシャンパンかけのような絵面を出しつつ手に入り易さも解決するという方法として、地ビールを採用していたというのが妙案だと感じたからだ。

まあ、一介のビールファンとしては、今回ビールかけに使われたビールの税金がかけられた後の市場小売価格も知っているため、思わず反射的に「勿体ない!」と言ってしまいそうになったことも付け加えておく。プロ野球チームのビールかけを、第三のビール片手にテレビで見る野球ファンの気持ちが少し分かったような。

小田原市のカミイチと、閉鎖が決定した二宮町駅前町民会館への出張カミイチ開催

何度か紹介したこともある、小田原市の上府中公園(小田原球場の隣)で毎月開催されるクラフトマーケット、カミイチ。基本的には毎月の第四土曜日に開催され、出店者は湘南・西湘クラフトマーケットの巨頭とも言える大磯市と共通するところあれども、地理的・文化的に近い足柄や箱根、そして静岡の方からも参加があるという興味深いイベントだ。

今月の開催日は10月28日(土)になるということで、つまりは明日なのだが、台風22号の到来も日曜日くらいになるということ、開催時間の10:00〜16:00くらいは天候がもってくれるのではないかと思われる。大磯市はこのところ3回連続で荒天中止となっていることだし、月例のクラフトマーケットが主な宣伝・販売の場となっている湘南・西湘の出店者のためにも、カミイチが無事開催されてくれるよう願うばかりである。

11月3日(金・祝)に二宮町への出張カミイチがあるらしい

さてこのカミイチの面白い仕組みで、ときどき出張カミイチと題打って通常時の会場である上府中公園以外に出向いてマーケットを開いたりしている。これまでの例であると、小田原城で馬上弓比べがある3月に、二の丸公園などを使ってマーケットを開いていた。上府中公園はどうしても小田原市民(のさらに一部)以外には知名度が薄い公園であると思うので、観光地の傍らでイベント時に同時開催をすることで、カミイチ自体の知名度向上も目論んでいるのだろう。

で、秋の出張カミイチと題打たれたイベントが、`11月3日(金・祝)に開催され、気になる会場は小田原市の隣の中郡二宮町にある、二宮町駅前町民会館に決まったらしい。この二宮町駅前町民会館はJR東海道線二宮駅の北側すぐの場所にあり、見た目は学校の体育館のような形をしている。二宮町が一年で最も輝く菜の花ウォッチングの季節(1月〜2月)には物産販売所として使われており、随分古めかしい公民館であるなという印象があったのだが、来年が築60年となるらしく、老朽化もあって今年度中の閉鎖が決定している。まさにその公民館へのお別れの意味も込めて、今回の出張会場に選ばれたということのようだ。

出張カミイチの例に漏れず、二宮の会場も鉄道駅から非常に近い。カミイチが気になっているけれども上府中公園まで行き辛い…という方も、この機会を有効活用してみるのはどうだろうか。

湘南ベルマーレのホームタウンが9市11町に 県市町村単独3分の2を窺う勢い

10月24日(火)に現在サッカーJ2リーグで首位を走る湘南ベルマーレより発表された、ホームタウン追加のお知らせ。これまで湘南ベルマーレのホームタウンは前身ベルマーレ平塚発足時の平塚市を中心として神奈川県内の7市3町にまたがっており、ホームタウン自治体数単独トップのJリーグクラブとして君臨していたが(人口ベースでは、まあFC東京・東京Vの東京都などあるので)、それに加えて新たに「鎌倉市」「南足柄市」「中井町」「大井町」「松田町」「山北町」「開成町」「箱根町」「真鶴町」「湯河原町」の2市8町がホームタウンとなることになり、合計9市11町という多数の自治体からホームタウン支援を受けることとなった。

神奈川県内ホームタウン事情

9市11町、合計20の自治体がホームタウンというのは、ちょっとした仰天ニュースである。なにしろ神奈川県内の自治体数の母数が33であるから、その3分の2にも至る勢いだ。もし国会と同じように多数決による議決の仕組みがあるのならば、どんなことでもやり放題である(「横浜FM・川崎は来年からJ2!」)。

ただもしその多数決が自治体人口の合計ベースならば、実は湘南ベルマーレが第一党にはならない。今回の2市8町を加えた全人口が、大体204.5万人。一方横浜FMのホームタウン人口は、横浜市横須賀市大和市の3市合計で大体437万人。川崎の場合川崎市1市のみだが150万人ほどになる。単独過半数を抱えた横浜FMのやりたい放題である(「川崎・湘南は来年からJ3!」)。政令指定都市はそもそも広範囲かつ抱える人口も多いので、湘南ベルマーレが自治体数ベースで圧倒していたとしてもそれが独占状態とはならない。あくまで政令指定都市をホームタウンとする県内他チームに対抗するための、ホームタウン大所帯戦略なのである。

将来的にSC相模原も入れて四国志になる可能性も

政令指定都市と言えば、神奈川県3番目の政令指定都市である相模原市についても気になる。相模原市にはSC相模原というJリーグクラブがあり、現在J3で17チーム中12位につけている。すぐにJ2やJ1の舞台常連の強豪クラブとなる可能性は低いが、ホームタウンとしての県内自治体取り合いレースに参加してくる可能性は非常に高い。愛川町清川村というまだどのクラブのホームタウンにもなっていない自治体と隣接しているという地政学的要因もあるし、実際クラブのホームタウン活動としてホームタウン未定の自治体でサッカースクールを開いたり、県央の海老名市・座間市綾瀬市などを含めて小学生を試合に招待したりなどしている。ホームタウン争奪戦を見据えて、既に手を回しているという印象だ。

のちのち、神奈川県内の自治体が残らずJリーグクラブのホームタウンとなる四国志状態ができあがるかもしれない。

湘南ベルマーレは"れんごう"だ

今回の発表の文字面だけを捉えると、20市町村をホームタウンとして取り込んだ湘南ベルマーレが大人げない、えげつない存在のように聞こえるかもしれない。しかしそれは先程も書いた通り、政令指定都市のクラブチームで三国志が出来てしまうという神奈川県の特殊な事情によるものであり、またこうしたホームタウン争奪戦の切欠を引き起こしたのも、今年4月に大和市を新たにホームタウンに引き入れ拡張路線を明確にしてきた横浜FMであると言える。あくまで一番強力なプレイヤーは横浜FMだ。

つまり某レトロゲームで喩えるならば、横浜FMは"れいほう"で、川崎が"ねっけつ"、相模原は"はなぞの"に対しての、湘南が"れんごう"であるに過ぎない。横浜FMが仲間内で使用禁止になることがあっても、"れんごう"の湘南くらいはまあ許されるのではないだろうか。


 

ま、それはともかく。湘南ベルマーレのホームタウンとなった自治体は、広義の湘南に属しても良いと考えている自治体であろうから、この繫がりから湘南市構想が復活して、神奈川第4の政令指定都市になったり、しないですかね?

hadanon.hatenablog.com

TOKAIグローカルフェスタ2017 東海大学湘南キャンパスの地域開放イベント

いち秦野市民として、住所が平塚市になるということをどうにも認めたくない東海大学の湘南キャンパス。まあその話はさておき、大きな大学であればキャンパスが存在する場所の周辺自治体に配慮して、地域住民に対する施設の一般開放やイベントなどを積極的に行っている。要するに、「普段学生うるさいっすけど、まあ怒らずに仲良くしてね!」ということであるのだが、平塚市北金目にある東海大学湘南キャンパスの場合、11月頭の建学祭とか暮れのイルミネーションとか、一年の後半になってくるとそういう動きが活発になってくるように思う。

地域交流のためのTOKAIグローカルフェスタ

そんな年の後半のイベントのひとつ、TOKAIグローカルフェスタが、今週末10月20日(土)に行われる。

建学祭とかイルミネーションはあくまで学生内輪向けが主体で、地域住民はそこに参加させてもらうことも出来るという構造になっているように見える。それに対してグローカルフェスタというのはその名称にローカルを孕んでいることからも判るように、"地域住民のオープンキャンパス"として企画されたイベントだ。その内容は教職員と学生による様々なワークショップや研究発表に加え、地域企業や自治体が会場を利用してPRなど行うブース出展がある。つまり広いキャンパスを利用したマルシェ的側面もあるのだが、実際平塚市の月例マルシェであるSun Sunマルシェもいち出店者として参加しているようだ。

入場は勿論無料で、10:00〜17:00まで開催する。各国留学生を抱える東海大学なだけに、国際フェアと題され20地域の文化を紹介する催しなどが楽しそうである。また、金目川ミニ水族館など地域住民が地域について考えてみる切欠になりそうな展示もあり(波多野ダイコンが無さそうなのが惜しいが)。普段犬の散歩や味の味噌一へのショートカットとしてしか湘南キャンパスとの触れ合いがなかった住民も、東海大学の広さを再確認する機会として活用してみてはどうであろうか。雨天でも開催!

横浜金沢クラフトビールandグルメフェスタ ビールの感想(後編)

10月の3連休に八景島で行われた、横浜金沢クラフトビールandグルメフェスタ。後編ではビアフェスとしてこのイベントがどうであったかレポートしよう。

前編(イベント概観&フード編)はこちら

hadanon.hatenablog.com

ビールはチケット制。前売券がお得

ビールの代金については既に書いたとおりチケット制で、当日会場での購入は5枚綴り1750円(1枚350円)であった。1チケットがビール1杯(200mlくらい?)に対応しているので、こういったビアフェスでの相場としては平均的かあるいは少し安めである。それに加えてコンビニ等のチケットサービスで購入できる前売券が存在し、10枚綴りが3000円(1枚300円)となりお得感がある。

今回は前売券をあらかじめ購入し、現地窓口で10枚綴りチケット&スタンプ台紙2枚と交換した。10枚綴りといっても実際はシール台紙に10枚のシールが貼付されたもので、購入の度に売り子さんに渡して1枚ずつ剥がしてもらう仕様となっている。出店ブルワーが大手のアサヒビールを加えて13ブルワーあり、各ブルワーのビールを注文する毎にスタンプが獲得できる。スタンプが5個貯まるとお土産抽選に参加できる仕組みなので、出来るだけ被らないように各ブルワーのビールを飲んだ方が得である。そういった仕様により13ブルワーの中からどの10ブルワーを選ぶか、さらに選んだブルワーのどの1杯を選ぶかについてジレンマを抱えるイベントであった。相場以下とはいえ、チケットの追加購入はやや割高になってしまうためである。10枚購入者のための追加ディスカウントチケットとかあったら気の済むまでおかわりをした可能性もあるので、ほど良いリミッターになったのかもしれないが。

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中国四国地方ブルワーの多い面子は、つまり吉備土手下麦酒繋がり?

横浜金沢クラフトビールandグルメフェスタの開催概要について書いたエントリで、列挙した参加ブルワーが何故か中国四国地方に偏っていることに疑問を感じていた。これについては、おそらくイベントの中心的な実行者となったであろう地元ブルワー2社の内の、横濱金沢ブリュワリーからの繋がりなのかもしれない。横濱金沢ブリュワリーは醸造の開始に当たって高円寺麦酒工房の元に学びに出たという。そして高円寺麦酒工房は、岡山の吉備土手下麦酒に学んで工房をオープンした。吉備土手下麦酒が開業支援をしたブルワーが今回の出店者のほとんどを占めていたので、出店者が中国四国地方に偏った理由は、吉備土手下麦酒フォロワー大集合イベントという側面があったからではないだろうか。次回以降あれば、やはり似た面子になる可能性が高いだろう。

印象に残ったビール

10ブルワーの10ビールを試して、特に印象に残ったものを紹介しよう。

ウェラワン クラフトエールスター

ウェラワンは日本の大手ビール・ウィスキー会社のOB達を集めて製品造りをしている会社であるらしい。けやき広場やビアフェス東京などにも出店しており、既にどこかで出会ったことがあるビールファンも多いだろう。今回のフェスの自己紹介文はこのような感じ。

ウェラワン製品はすべて、日本の大手ビール・ウィスキー会社のOB達が、長年日本で培った技術と経験からくるひらめきで、日本人の口に合うように開発製造を東南アジアの醸造所で行っています。

話の流れ的に、そこは日本国内製造じゃないんかい!と突っ込みたくなる。けれども国外製造であることは指摘されないと気付かない程度には日本人向けの味であった。今回飲んだビールの中では、唯一のボトルビール。Alc.12%のバーレイワイン。

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直営通販で缶セットが買える

 

Awa新町川ブリュワリー 新町川すだちハニー

徳島名物すだちハニーである。フルーツビールは各地の醸造所が地元特産物を使って挑戦し、その醸造所の看板となることも多いのだが、ビールファンにとっては大体事前の想像通りの味であることが多い。このビールもベルジャンスタイルに、少しすだちの柑橘系の香りがするビールなのかと予想して飲んでみたが、あまりのハニー分(飲み易さ)の高さに予想を裏切られる感じであった。すだちハニーが9のビールが1くらいの割り切りであるが、意表を突くというか、フルーツビールの可能性を拡げるという点では良いのではないかと感じた。

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南横浜ビール研究所 横浜市大アンバーエール(仮)

地元ブルワー2社のうちの、横濱金沢ブリュワリーでない方である。テントは2社が並んで配置されていた(写真左側)。

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2016年4月の創業と新しいブルワーである。アンバーエールは横浜市金沢区にある横浜市立大学の学生と共同開発し木原研究所栽培大麦を使ったビールの、第2段であるそうだ。

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凄く気になった点…横浜市立大学と同大の木原研究所と言えば、サンクトガーレンが今年発売したミカモゴールデン使用の『KORNMUTTER 麦畑の精霊』が思い浮かぶ。おそらくWEB上で「横浜市大 ビール」とかで検索すると9割方このコルンムッターの情報が出てくるだろう。

そこで売り子をされていた方にコルンムッターとの関係をうかがってみたら、「それより美味いです」という簡潔な回答が返ってきた(笑)。にわかにこのブルワーを応援したくなったのであった。

スタンプ抽選会でお土産を獲得

17:00になると、ステージにてお土産の抽選会が始まった。会場アナウンスでも言及していたが、わざわざ別ブルワーのビールを5杯以上も飲む客はそうそう居ないため、非常に競争率の低いガバガバな抽選になっていたようだ。こちとら前売チケットのおかげで10杯、つまり5杯で完成するスタンプ台紙2口も応募をしていたため、順当にお土産にも当選してしまった。

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当選したのは、金沢区のシャーロンという洋菓子店のスモールポテトパイ。同店の名物らしく、控えめな甘さとお値段、そして日持ちの良さなどちょっとしたお土産にうってつけな洋菓子であった。

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そういった嬉しい出来事もあったため、総合的にみてこのイベントは非常に愉しめたのでした。何より、横浜でも横須賀でもない金沢区特有の個性のようなものを発見できたのが、収穫であったと言えるのではないかな。

横浜金沢クラフトビールandグルメフェスタ イベント感想(前編)

10月の3連休に八景島シーパラダイスのアクアミュージアム前広場で開催された、横浜金沢クラフトビールandグルメフェスタ。同じ横浜市(と言っても、八景島はほとんど横須賀市のような位置であるけど)の赤レンガ倉庫では毎年恒例のオクトーバーフェストが開催されている時期だというのに、あえて新規にビアフェスを企画して集客を目論もうというのであるから、全く無謀勇敢である。そんな勇敢さと、あらかじめ主催者によって発表されていた参加ブルワー顔ぶれのレア感に誘われて、クラフトビールイベントのためだけに八景島に足を運んできた。

会場へのアクセスで遠回り

イベント会場のある八景島には、最終的に徒歩で上陸をする必要があると考えた(ビールイベントなので、車は使えない!)。ところがイベントのホームページや、八景島シーパラダイスのホームページでアクセスについて調べてみても、八景島駅までの行き方はあれどそこからどのように上陸するか、徒歩で何分くらいかかるのかなどについて書かれていない。そしてGoogle Mapsで見るかぎり、八景島駅で降りてしまうと目の前は海。鉄道駅からの最短距離を探すならば、金沢シーサイドラインの市大医学部駅から延々と歩いて島の真北から上陸する必要があるのだと結論付けた。

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結論としては、その結論は全くの間違いであった(笑)。Google Maps八景島駅方面から伸びる半島を拡大すると、薄い灰色で海の上に4本線が。橋が繋がっていて、その上を渡れるようになっている。

何故真北方面からの橋が太い線になっていて、八景島駅目の前の橋が拡大しないと出てこない線になっているのか分からないが、Google様のおかげで会場まで遠回りをする羽目になった。疲れた。早くビールが飲みたい!

イベント会場とステージの様子

イベントは入場料のかからない、アクアミュージアム前広場にて行われていた。広場中央にテーブルがあって、その両脇を連結した販売テントが囲むレイアウト。

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さらにその奥側にはステージが用意されており、アイドルやシンガー達が絶えず持ち歌を披露している。

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今回初開催のイベントなのに人出が沢山あるのは、シーパラダイス自体の集客力によるものが大きいだろう。年間パスポートやシニア料金などがあるおかげか、あまりビアフェスで見ない客層もあって新鮮だった。

地元グルメを堪能

クラフトビールandグルメフェスタというイベント名称のとおり、出店者は全国のクラフトビールブルワーと、地元グルメを中心とした屋台である。

フードは是非金沢区らしいものを見つけて食べようと思ってブラブラ歩いていたのだが、魚の練り物に昆布入りタルタルソースをかけて挟んだハンバーガーを発見。昆布は金沢文庫なだけに、文庫のコンブとして売り出しているらしい。

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主役となる海産物だけでなく、野菜やバンズも含めてクオリティが高く美味しかった。値段も500円と手頃だし、是非ご当地バーガーに昇格してもらいたい。

その他の地元っぽいグルメ。ビールのイベントらしく焼き鳥の屋台が出ており、食欲をそそる煙の臭いを発していた。そのラインナップの中に横浜金沢野島産海苔佃煮を使用した鶏もも串を発見。

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実際グルメにとってはちょっとした味付け程度であるが、こうして出店者が横浜金沢名物の名前を露出して宣伝することで、「横浜にも意外に名物があるんだ」とイベント参加者に認知してもらえる機会となるのだ。

地元グルメという点から言えば、このイベントに参加した結果シャーロンのスモールポテトパイも食べることが出来たのだが、それについては後編で、ビール部分のレポートとともに詳述しよう。