秦野でSEOなどしつつ神奈川県ネタブログ

秦野市でSEOしつつ、神奈川県ご当地ネタ・地域情報を書くブログ。湘南・小田急線・グルメ・温泉がマイブーム。

どぶろくと濁り酒の違いについて調べてみた

毎年3月初旬の土日に、秦野市ではどぶろく祭りというイベントが行われる。今年で15回目を迎えるこの催し、四十八瀬川自然村というNPO法人が主催するもので、秦野市沼代の御嶽神社、それから秦野駅前のまほろば大橋、それから渋沢駅北口広場と3会場で"どぶろく(濁り酒)"の無料振舞いが行われる。

"どぶろく(濁り酒)"という表記は一体何?

"どぶろく(濁り酒)"と表記したのは、決して読者のことを見くびって、「こいつらどうせどぶろくの存在も知らないだろう。濁り酒のことだよ。この機会に無い脳味噌に刻み付けろYO!」と思ったからではない。どぶろく祭りの開催を報じる記事や観光協会の紹介で必ずこのような表現が使われているからだ。そして調べてみると、どうやらどぶろくと濁り酒というのは本来別物であり、しかしながら一般的に"濁り酒まつり"と銘打つより"どぶろく祭り"とした方が認知され易いだろうとの理由で、どぶろく祭りとなっているようである。

では、"どぶろく"と"濁り酒"の違いとは?

すると気になるのは、"どぶろく"と"濁り酒"の違いであろう。この2つの酒の違い、酒米に麹を加えて発酵させた後に出来た液体を、漉しているかいないかの違いであるという。どぶろくの場合は無濾過で、米の塊がそのまま液体に入った状態で完成である。そして濁り酒であるが、酒税法上の区分では一度でも漉しているから清酒の扱いになる。漉した結果透き通った液体になった場合でも、粗めに漉して米の塊が少し残っていた場合でも、等しく清酒である。少し前のエントリで金井酒造店の白笹つづみにごり酒を呑んだレポを書いたけれども、確かにラベルには清酒と表記がされていた。

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酒税法上での細かい違い

濁り酒については"清酒"の区分となり、かかる酒税は従量課税で1klあたり120,000円となっている。そして蒸留酒等と異なり、アルコール度数による加算額は無い。また、醸造規模が小さい場合(醸造者の前年課税移出数量が1300kl以内)には、当年の200kl分まで課税額が10〜20%割り引かれる。そして、東日本大震災でダメージを受けた醸造者はさらに6.25%の軽減がある。

どぶろくの区分は"その他の醸造酒"であり、ラベルでは"濁酒"と記載される(ややこしい)。酒税は従量課税で1klあたり140,000円となる。アルコール度数による加算額が無いのは同じ。

その他細かい違い

清酒の場合には、清酒の製法品質表示基準があるので、たとえば製造年月をラベルに記載しなければならない等の規則がある。その他の醸造酒であるどぶろくの場合にはこの規則が適用されない。ちなみに、賞味期限の表示義務は清酒であろうとなかろうと無い。

どぶろくは誰が醸造できるのか

秦野どぶろく祭りで振る舞われる『秦野てんてこまい』のように日本酒蔵に醸造を委託する場合は、かかる酒税を考慮すると濁り酒(清酒)として製品化した方が得であろう。また、程度に関わらず一度でも漉してしまうと清酒の扱いになるため(上澄みを取るのもアウトである)、取り回し等を考えてもどぶろくその他の醸造酒)カテゴリにこだわる必要性は無い。カテゴリの違う酒を醸造する場合、新たな製造免許の取得が必要となるということも、日本酒蔵のどぶろく清酒カテゴリに収まりがちな理由のひとつだろう。

それではどぶろくカテゴリの必要性がどこにあるのかというと、日本酒蔵のような醸造規模を持たない個人や団体が醸造を行う場合である。酒類製造免許の取得要件には、年間の醸造量が(免許の種類にもよるが)最低6kl(約3326升)以上であるというものがあり、これは勿論、個人の醸造規模を大幅に超えている。免許を付与されることなく勝手にどぶろく醸造してしまえば個人の愉しみの範囲でもアウトである(そしてその法律的根拠は、お上が酒税を取り損ねるからというもののみである。過去にはその妥当性が裁判で問われたこともあった)のだが、醸造を行う地域がどぶろく特区に指定されている場合には、その地域内でその他の醸造酒製造免許を取得するのに最低醸造量の規定が撤廃される。

個人・団体のどぶろく醸造のためのハードル

勿論、その他の醸造酒製造免許取得のための醸造量以外の要件は満たしていないといけない。具体的には、申請者に国税地方税の滞納歴が無いことや、醸造に必要な設備が揃っていること、そして醸造場所が適当であること等々。

また、加えてどぶろく特区の特例による酒類製造免許取得の場合には制限が追加される。農業者が自ら作った米を原料として醸造するどぶろくを、特区内でのみ製造・提供できるというのが原則。米以外の原料については自家製でなくても問題ないが、どぶろくの製造であるので絶対に漉してはならない。

結論:どぶろくと濁り酒に味の違いはない

以上のことを鑑みると、どぶろくと濁り酒の違いというのは原料や発酵方法の違いなどではなく、酒税法上の区分や酒類製造免許の許可区分の差である。なにしろどぶろくをそのままの状態でなく少し漉したり上澄みをすくったりするだけで、カテゴリーが変わってしまうのだから。

大型酒販店に行くと、どぶろくを模した濁り酒製品が棚に並んでいることもあるが、それらが酒税法上"清酒"と表記されているからといって、「この製品は本格的などぶろくじゃないなぁ」と決めつけるのは間違っている。まず本質はそこではないことを頭に入れないといけない。

ただその上で、酒造メーカー各社が色々工夫をして市販品にどぶろくを再現しようとしていることも、併せて見てみると面白い。先程酒造メーカーが清酒カテゴリ以外で濁り酒を出す必要性があまり無いと書いたけれども、そのことを逆手に取ってあえて"濁酒"表示の製品を出すことで、他社製品は本格的ではなく、うちこそが本当のどぶろくを作っている!と差別化を図ることもできるわけである。第三のビールと同じく、酒税法区分に振り回されているきらいがあるけれども。

余談:同じにごり酒でもカテゴリは様々

各メーカーそれぞれ、何を優先しているかが垣間見えて面白いかも。

どぶろく特区についても調べてみて面白かったので、そちらも次の機会にまとめようと思う。

まとめました

白笹つづみ にごり酒

秦野盆地で明治の世から醸造を続ける日本酒蔵と言えば、「白笹つづみ」の金井酒造店。金井酒造店はモーツァルトの音楽を聴かせながら醸造した日本酒「モーツァルト」の生産者としても有名(なはず)。

洋酒のようなパッケージですが、日本酒
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その金井酒造店は、最近洋菓子を作る秦野のデボンポートという会社とコラボレーションして、美少女キャラクターを使った"萌酒"、「秦野萌酒 白笹鼓 いなり」を作っている。

hadanon.hatenablog.com

白笹稲荷神社初午祭でこの萌酒販売に遭遇

去る2月12日に、関東三大稲荷(ここ重要!)であるところの秦野市の白笹稲荷神社で初午祭が行われた。毎年恒例、この日には神社の境内境外問わず沢山の露店が出るのだが、その中でも特に目立つ、境内参拝者の行列の脇に露店を出していたのが、デボンポートだった。そして、くだんの萌酒の大きな幟も確認。

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萌酒はいまだ呑んだことが無いながら、初午の賑わいにあてられてその場で購入!とはいかず…少し意気地がなかったので金井酒造店季節限定ラインナップである、「白笹つづみ にごり酒」を購入いたしました(笑)。

いや、斯様なチキンハートの言い訳をさせていただくならば、この萌酒パッケージの中身、白笹つづみの"特別本醸造"なわけで、吟醸酒舌の私には少しリスクが高い。とまあ、えり好みして買って帰ったわけですけれど、帰宅後にラベルをよく見たらこのにごり酒もアル添でした(笑)。

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「白笹つづみ にごり酒」の感想

さて、このにごり酒を晩酌で呑んでみた感想。口に含んだ瞬間に強いメロンのような香りが襲い、次に強めの炭酸が舌先に訴える。この2点のみを合わせれば、間違えてメロンソーダに口を付けてしまったかのよう。ただ後ほど追って麹の香りがやってくる。このしっかりとした麹の香りが、日本酒を呑んでいるという実感をもたらす。呑み進め易く、後味にいやらしさは少ない。秦野の水、最高。

心配した醸造アルコールによる不自然さも、気付かない程度だ。吟醸酒のような、酒自体が主役となるような風味のストーリーは無いけれども、食前酒や一杯目としては合格点ではないだろうか。

にごり酒らしく、落ち着いた状態で保存しておくと沈殿物と分離する。まず透明な部分を呑んで、次に容器内で軽く撹拌して呑んで…と試してみたけれど、特に全体的な印象は変わらなかった。どぶろくのような強烈な米汁感は無く、清酒か、あるいは上品なマッコリのような感覚で呑めるだろう。食中酒のその前、アペタイザーとして好適かな。

サンクトガーレン2017バレンタインビール セサミチョコレートスタウト

なんだか毎年レビュー記事を書いているような気がする、厚木市のブルワリーサンクトガーレンのバレンタインビール。毎年4本のラインナップのうちの1本が新顔で、同社がエイプリルフールに出すキワモノビールと同じように意表をついた製法や原材料を使ってくる。

近年サンクトガーレンのバレンタイン限定ビール

2014年の限定バレンタインビールは、ミントチョコレートスタウト。

hadanon.hatenablog.com

2015年は、スモークドチョコレートスタウト。

hadanon.hatenablog.com

 2016年は、ストロベリーチョコレートスタウトだった。他のメーカーがバレンタインのチョコレートビールに参戦し始めたからか、段々と奇抜な方向に寄って来る傾向あり。

hadanon.hatenablog.com

2017年バレンタインの限定ビールは、セサミチョコレートスタウト!

そして今年のバレンタインビール。毎度定番のインペリアルチョコレートスタウト、オレンジチョコレートスタウト、スイートバニラスタウトの3種類に加えて、ごまを原料に加えたセサミチョコレートスタウトが発売されていた!

セサミチョコレートスタウトを含んだ今年のバレンタインビールセット

 

ごまのお酒というと、ごま焼酎というものがかろうじて思い浮かぶくらい。福岡県の紅乙女酒造で作っている紅乙女が比較的手に入り易い。昔一度買って呑んでみたけれども、個人的な感想を言うなら何故紅乙女が販路を広くもてているのか謎なくらい、常飲に適さなそうな味だった。

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どうもごまの油っぽい香りとアルコールがあまり合わないのではないかと思っている。けれども、サンクトガーレンのビールの新顔ということであれば試さずには居られないのだ。

セサミチョコレートスタウト 感想

ということで、オープンセサミと唱えながらセサミチョコレートスタウトの開栓。

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最初の一口は、確かに存在感を感じさせるごまの香りだ(ごまダレのようなマイルドな)。そしてごまの香りが収まってくる頃に、チョコレートモルトの香りが現れる。両者は棲み分けが出来ているので、セサミチョコレートスタウトの名前通りセサミ→チョコレートと香りが推移していく。そして気がつくと6.5%のアルコールがずっしりと身体に効く。

で、このビールの満足度が高いのかというと、ごまビールとしてもチョコレートビールとしても中途半端な感じになってしまい、一発屋の企画ものとして以上の評価は与えられない。そもそもチョコレートスタウト部分が原材料にチョコレートを使っていない、チョコレートの錯覚体験であるのだが、この錯覚をごまの存在が妨げてしまう。同社のインペリアルチョコレートスタウトが見事な錯覚体験であるため、このビールを呑むとインペリアルチョコレートスタウトを呑み直したくなってしまう。これが販売戦略ってヤツなのか。

ミントチョコレートスタウト(2014)を復刻してほしい

はい。ということで、今年の新顔チョコレートビールはいまいち響かなかった。段々とバレンタインビールもキワモノ路線になっていってしまっているため、来年もあまり期待できないのかなと思ってしまう。

2014年のミントチョコレートスタウトが非常にイイ線行っていたと思うので、また復刻されないだろうか、と期待。多分ミントが苦手な人がある程度いたとしても、ごまビールよりはポピュラーな支持を得られると思う。

 

春鹿 超辛口純米酒 食中酒に求めるもの全てがここにあったり

秦野ブログだけれども、たまにお酒のことについても語る。なにしろ以前山口県のお酒『日下無双』について語ったエントリが地味にアクセス数を稼ぎ続けていたりで、そうしたデータを見るにこのブログの読者が必ずしもガッチガチの神奈川県民だけではないのでは、神奈川県(&秦野市)ローカルネタを求めていないんじゃないかという気もしてきたからだ。

hadanon.hatenablog.com

まあ、更新ネタに困った場合にスペーサーみたいな形で趣味・趣向について語ってみよう。

奈良県今西清兵衛商店の銘柄『春鹿

日本酒が好きなもので、酒販店でとにかく聞いたことの無い銘柄に出会うと、気になって(いろいろと評判など調べた上で)お買い上げしてしまう。購入前の下調べが慎重すぎて、タイミングを逃してしまうことも多々あるのだが、最近はWEB上のどういった評判がマーケティングのための美辞麗句で、どういった評判が真にうまい酒の情報の共有なのか、ということを判別できるようになってきた。

それで、情報をある程度吟味した上でこれは"当たり"なんじゃないかと思ったもの。大吟醸クラスではなく、日常酒として呑めて、かつアル添ではないものをひとつ購入した。それが奈良県の『春鹿』という酒の超辛口純米酒。このお酒は呑んでみて期待以上のものがあったので、この場末ブログでも是非推奨をさせていただこうと思った。

"超辛口"の看板を裏切って呑み易い。そして清澄。

ラベルは"超辛口"となっており、一見するとキワモノポジションのラインナップなのではないかと思える。日本酒度+12という数字も、カタログ上で異彩を放つ。その一方、奈良県内の土産物屋では180mlの小瓶をよく見かけたりするので、まあ手に入れ易さからみて大したお酒ではないのではないかとも侮ってしまう。

春鹿』超辛口 まあ奈良らしい名前です

 

ところがこのお酒、呑んでみると意外と吞ん兵衛の嗜好の正道を突いてくる。吟醸酒舌がたまに呑みたい、アッサリとした食中酒だけれども、ふくよかに香ってくれて不満足をもたらさない、そんな理想的な酒であったりするのだ。

食中酒として重要な点、まず食欲を促す。このお酒はそれだけでグビグビとやることもできるが、胃を活性化させて何か食事も採りたくなるような気にさせる。メタボに悩む酒飲みには都合の悪い効果であるが、私はこのお酒を冷酒で呑んで、白湯をアテにしても良いのではないかと思いついて試した。実際にそれで随分愉しめたのだが、何か料理をアテにするのならば、鶏粥なんかが合うのではないかと思う。

そして、後味に雑味が見当たらないのも素晴らしい。余程良い仕込み水を使っているのだろうと思われる。どうも春鹿醸造している今西清兵衛商店という蔵は、春日大社の神官として昔から酒造りを続け、明治の世になって酒蔵として独立したらしい。仕込み水は奈良県内では珍しい硬水ということで、超辛口を謳っているのも、奈良県の日本酒の傾向の中では極めて辛口寄りに位置する、ということなのかもしれない。辛口の看板でありながら、優しさを感じる。

ということで、食中酒の第一候補としてこの春鹿超辛口を記憶しておこうと思った次第。飲食店でもこの銘柄をラインナップとして採用すれば、食欲増進効果からきっと料理の売れ行きも上がる…はず。

サンクトガーレンのストロベリーチョコレートスタウト それはイチゴの因数分解!

毎年4種類登場して、毎年4種類飲むことになるサンクトガーレンのバレンタイン向けチョコレートビール。4種の内新味が毎年1種類登場するのだけれど、それが今年はイチゴをふんだんに使ったストロベリーチョコレートスタウトである。バレンタインまであと1ヶ月もあるが、早速呑んできた。

サンクトガーレンのチョコレートビール入門

バレンタイン商戦向けのサンクトガーレンのチョコレートビールだが、原料にチョコレートやカカオ等は一切使われていない。それでもチョコレートビールを名乗るのはどういうことなのかというと、ビール原料のモルトを高温で焙煎して、チョコレートのような香りの癖付けをしているのである。

このチョコレートモルト使用による香り付けの技を一番愉しめるのがインペリアルチョコレートスタウト。アルコール度数は9%と高く、ワインのように長期熟成も可能だ。まあ、これを飲んでチョコレート感を全く感じないのであれば、他の3種類も普通のフレーバービールにしか思えないだろう。

インペリアルチョコレートスタウト

インペリアルチョコレートスタウトにしろ他社のチョコレートビールにしろ、原料としてチョコレートを使っていないので、飲みながら味のチョコレートっぽさをツギハギして、チョコレートの虚像を作り上げる。フレーバー付チョコレートビールについてはさらに複雑で、チョコレートの虚像を作りながら、チョコレートビールの中に散逸してしまった原材料(こちらは実際に使用されている)の風味を取り返していくことになる。

ストロベリーチョコレートスタウトにイチゴ感はあるか

では、今年の新商品のストロベリーチョコレートスタウトにイチゴの風味は残っているのだろうか。サクっと購入して飲んでみた感想は、イチゴ風味がわかりにくい!というものだった。

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それどころか、チョコレートビールに大切なチョコレートの虚像感も減ってしまい、最早飲み易すぎるスタウトになってしまっているのでは。そういった印象でグビグビ呑んでいた。

瓶底の辺りまで飲むと、イチゴらしい部分もようやく少し見えてきた。イチゴ果肉の白い部分の香りが一番強い。ただこの白い部分の香りというのは、普通の人がストロベリーフレーバーに期待する甘味や酸味ではなく、イチゴを因数分解したときの一番目立たない部分だ。なんというかレギュラー商品ではないからこその消費者受けを無視した実験ビールだなあ、と改めて感じるのであった。

で、結局このビールの評価はどうなの?

華やかなるバレンタイン商戦のビールであることを差し置いて考えるならば、スタウトの飲みにくさを果肉の香りでまろやかにしているから、非常に合理的なフレーバービールであると感じる。ただ、このビールを来年もバレンタインに贈りたい!と思う消費者は少ないのではないか、という気がする。イチゴの華やかさがないから。

フレーバービールとしてイチゴ果肉の可能性を提示したのは面白いし、それがバレンタイン企画ゆえの偶然の産物だったにしろ、スタウトに合わせるのも面白い。そこでまあ、サンクトガーレンのある厚木市のお隣海老名市の名物がイチゴですし、海老名ストロベリースタウトとかそういったご当地ビール路線でレギュラー化してくれないかな、と密かに希望してみたり。

2016年バレンタインの4種類4本セット

2015年当ブログのまとめ的な

そろそろ終わっちゃう2015年。当ブログの2015年は、総投稿エントリ数69、まあ大体5日に一回投稿していたことになる。ものぐさペースで投稿していても、1年を通じてみると結構な数になるものだ。

2015年に最もアクセス数の多かったエントリ

名ばかりのSEOブログらしく(一応、テーマ特化のため過去にSEOブログをスピンアウトした経緯がある)、どういったエントリが人気だったか、どういった性質の訪問者が多かったかなど軽くまとめておこう。

2015年に訪問者が一番多かったのは以下のエントリ。

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このブログ、SEOネタよりも神奈川県ネタよりも小麦粉関連で訪問してくる人が多い。鉄腕!DASH!!に登場した世界一うまいラーメン用小麦「春よ恋」についてまとめたエントリは、昨年投稿してから同企画の放映のたびにアクセスの山が出来る。昨年2014年の1位もこのエントリだったのだが、「春よ恋」自体の知名度が上がって、加工食品などでこの品種名を前面に押し出したものも多くなったからか、放映日以外にも平均的なアクセスを稼ぐ傾向が出てきた。

ちなみに2位は以下のエントリ。

hadanon.hatenablog.com

こちらも2014年の2位である。このエントリは盆や正月、湘南の神社のお祭りなどがあると伸びるようだ。小麦の記事と共通しているのは、どちらもニッチな知識であるということ。ニッチな知識がマスメディアなどで紹介され瞬間的に訪問者が殺到すると、SNSでシェアされ易い。その波が一過性のものであっても、シェアされた数に応じて検索順位も上昇するのでホットエントリ化する。

今年書いたエントリの中で1位になったのは、以下のエントリ。

hadanon.hatenablog.com

中井町はまあ存在自体がニッチかもしれない。ゆるキャラの選考そして決定という大きなニュースに連動して一過性のアクセスがあったのだが、今後なかまる君がゆるキャライベントで大活躍すれば、その都度アクセスの波が見られるかもしれない。

2015年に最も多かった訪問者の検索キーワード

GoogleのSearch Consoleをデータソースとしており、Googleアカウントにログイン状態の検索はnot providedと出てしまうので、以下の結果はGoogleにログインしていないデバイス(あまりPCに精通していない人やモバイル端末)からの検索のみである。1位のキーワードは、「日下無双」。日本酒の銘柄名で、以下のエントリで紹介をしていた。

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ブランド名は検索キーワードがブレないので、トップになるのもむべなるかな。検索ユーザが他の語句との組み合わせ(たとえば「日下無双 日本酒」など)をしなくてもヒットすると思ってキーワードを打ち込んだからという理由もあるだろう。一般名詞と重複しないブランド名。

そして2位は、「カムット小麦」。

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ニッチな知識で、やはり何かしらマスメディアで紹介されたタイミングにアクセスの波が来ている。Google検索のキーワードトップにこのエントリがいることも大きいのだが、それにしては流入は少ない。スペルト小麦の方が日本ではポピュラー。

2015年のベストエントリー(ただし満足度30点)

はてなブログ今週のお題にもなっていた、「マイベストエントリー」。じゃあ2015年に書いたエントリの中で、アクセス数云々を抜きにして自身が一番気に入っているものはどれかという話。

やっぱりニッチな知識は書いている自分が楽しい。候補としてはつい最近書いた藤沢産生ハムの紹介や、蒸気レス電気ケトルの話なども挙げられるけれど、紹介したいニッチな題材を扱ったという点では、相模国府祭のエントリがベストかもしれない。

でもこの国府祭のエントリ、ただのニュース速報のように味気無い書き方になってしまっているので、個人的な満足度は30点。相模国府祭が現在のゆるキャラグランプリに通じているという壮大な暴論をもっと盛り込んで、来年の紹介エントリでは100点を目指したいところ。

今年のエントリを見返してみると、このニュース速報的なものが多かった。全て30点以下の出来で、近年来最悪のボージョレーヌーボー。来年はもっとニッチを深く掘り下げて、魅力的なエントリを量産したい。

あつぎ鮎まつり2015開催 8月1日(土)は10000発の花火打ち上げ

先週末には相模川対岸の海老名で花火大会が開催されたが、今週末はいよいよあつぎ鮎まつりが開催され、初日の8月1日(土)の19:00から大花火大会が始まる。あつぎ鮎まつりというのは、神奈川県央で最大級の花火大会の名前として目につくことも多いかもしれないが、今年で69回を迎える歴とした街ぐるみイベントで、本厚木がおそらく一年で一番にぎわう催しなのである。

鮎まつりの歴史諸々は昨年紹介したけれど

元々は交通の要衝として栄えた厚木宿の、料亭や商工会が企画したイベントである鮎まつり。鮎まつりと題されているのは、段々と重要性を失い衰退しつつあった厚木を盛り上げようとして、先人が相模川の鮎を名物として取り上げたからである。名物による街おこしのはしりというべきか、B-1グルメ大会がかつて本厚木で行われたのも宜なるかなである。

本厚木が花街からどのように変わっていったか、何故鮎を推すようになったかを詳しく追っている記事が下記リンク先のページにあり、個人的には大変参考になった。花火だけでない鮎まつりを知りたい方には是非一読おススメしたいところ。

http://www.kawara-ban.com/rensai.html

厚木の飲食店・地ビール会社等の屋台が出店

ということで、あつぎ鮎まつり自体は花火の打ち上げに留まらず、数々の催しを含んだ街ぐるみのイベントなのである。今年は8月1日(土)と8月2日(日)の2日間開催で、メイン会場は厚木中央公園。中央公園やアミューあつぎ前などには、厚木の飲食店の屋台がグルメフェスに負けないくらい出店する。厚木市内の地ビール会社3社が顔合わせするイベントであるというのも重要で、各社の限定ビールや当日解禁ビール等が飲めるようである。たとえばサンクトガーレンは、限定ビールの白ぶどうエールを生で提供し、さがみビールは桃のビールを解禁するなど。

そんなことより花火

花火はメイン会場の中央公園からも見えるが、打ち上げ地点は相模川河川敷なので、より川沿いに近い場所の方が鑑賞に向いている。特にナイアガラ花火を確実に目撃したいならば、2箇所ある観覧エリア(第1エリア:相模川三川合流地点・第2エリア:あゆみ橋上流)の席を早めに確保して臨みたい。なにせ本厚木の街中に音や姿を見切れさせる花火なので、打ち上げが始まると皆よりよい鑑賞ポイントを求めて大移動、混雑が起こったあげく、早々入場締め切りとなってしまう。

花火の玉数はタイトルにも書いたとおり、10000発。19:00に打ち上げ開始で、20:30まで続く。ということで、轟く花火の打ち上げ音に気付いてから途中参加しても、全然間に合う花火大会だ。打ち上げ地点の近くや、高い所に登ってぜひ鑑賞しよう。